ワンボックスでの出来事
「おいおい、本当にいいのかよ?事務所の仕事なんて無いだろうが。」
尾崎先輩が言う。
これはワンボックスで帰る途中の先輩方の会話だ。
「何言ってんだ尾崎。俺らも下っ端の頃はよくいじめられてたろ。アレに比べりゃまだまし。」
運転手の新山先輩。
「さすがだぜ新山。お前の悪知恵には乾杯だぜ。」
山口先輩がいかにも愉快そうな顔で言う。
「そういやさ、あの博物館気味悪くなかったか?ずーっと見られてるっていうか。なあ新山?」
・・・
新山先輩の返事はない。
「新山?」
「・・・ア・・・!!ヒ、ヒィッ!あ、首がく、首が!」
前傾姿勢になって首を押さえる新山。
「どうしたんだよ?おい!危ない!峠から落ちちまうぞ!」
偶然にも道路が直線でハンドルを握らなくても滑走できる状況だった。
その瞬間、運転席から鉄球を落としたような音がした。運転席に一同目を向けて唖然。
加速し続ける車にゆられて新山先輩の首がフロントテーブルをゴロンゴロンと転がり続けてるのだ。
「あ…!カーブだ!危ない!」
といった時にはもう遅い。
時速100キロ以上の速さで走り続けていた運転手のいない車はカーブの道路を直進し、峠からすり落とされ深い森へと落下。
でも、何故いきなり新山先輩の首が切断されたのでしょうか?