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【歴史】火縄銃

【問い】 火縄銃を撃つとき、下方を狙うと

玉が転がり落ちて撃てない。

という話を何かの小説で読みました。

城の鉄砲狭間から撃つ場合実際のところどうだったと考えられますか


【回答】 Geminiさん

小説などで描かれる「銃口を下に向けると玉がこぼれ落ちる」という描写は、火縄銃の構造上、理論的には起こり得る現象ですが、実戦ではそれを防ぐための明確な対策が取られていました。


城の鉄砲狭間(てっぽうはざま)から急角度で下を狙う際、当時の兵士たちがどのように対処していたのか、技術的な側面から解説します。

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1. 「玉がこぼれる」原因:遊隙(ゆうげき)

火縄銃は銃口から火薬と玉を込める「前装式(マズルローダー)」です。

当時の弾丸は、銃身の内径よりもわずかに小さく作られていました。これは、発射を繰り返すと銃身内部にすすが溜まり、玉が通りにくくなるのを防ぐためです。この隙間を「遊隙(ウィンドウ)」と呼びますが、そのまま銃口を下に向け、振動などが加われば、確かに玉は自重で転がり出てしまいます。


2. 解決策:「早込(はやごめ)」と「洗い抜き」

実戦、特に城郭防衛では以下の方法で玉を固定していました。

・ 早込(木製・紙製のケース):

  一発分の火薬と玉をセットにした「早込」という容器(あるいは紙筒)を使用し

  ていました。玉を紙や布で包んだまま銃身に押し込むことで、包みがパッキンの

  役割を果たし、銃身内で玉がしっかり固定されます。

・ 「詰め物(送り、さくる)」の使用:

  火薬と玉を入れた後、その上から紙や麻布、時には植物の繊維などを棒(かる

  か)で固く 突き固めます。これにより、逆さまにしても玉が落ちないだけでな

  く、発射ガスの漏れを防いで威力を高める効果もありました。

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3. 鉄砲狭間での運用の実際

城の土塀や櫓(やぐら)にある鉄砲狭間は、敵を迎え撃つためにあらかじめ**「下方への射角」**が計算されて作られています。

・ 射撃姿勢の工夫:

  狭間は外側が小さく、内側(城内側)が広く作られています。兵士は銃身を狭間

  に差し込み、固定された角度で狙いを定めます。装填作業自体は銃身を立てた状

  態で行い、狙いをつける直前に銃身を倒すため、しっかりと詰め物がされていれ

  ば、玉がこぼれる隙はありませんでした。

・ 急角度の特殊な狭間:

  石落とし(いしおとし)のように、ほぼ真下を狙う場所では、特に慎重に詰め物

  が行われていたと考えられます。

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4. なぜ小説では「こぼれる」と書かれるのか?

これは、火縄銃の**「火皿(ひざら)」**の問題と混同されているケースも多いです。

銃身内の玉よりも、点火薬を入れる「火皿」の火薬(口薬)の方が、銃を傾けた際にこぼれやすいという弱点がありました。火皿の蓋(火蓋)を閉めていれば防げますが、激しい戦闘中や操作ミスで火薬がこぼれ、不発(火皿の火薬だけが燃える「どんぱち」)になることは実際にありました。


  まとめ

  構造上、何もしなければ玉は落ちますが、熟練した兵士は紙や布をパッキンとし

  て使うことで、急角度の下方射撃を可能にしていました。 城の守備において、

  下を狙えない銃は兵器として致命的であるため、そこは運用の妙でカバーされて

  いたと言えます。


火縄銃の装填手順や、当時の「早込」の具体的な仕組みについて、さらに詳しくお伝えしましょうか?


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【問い】 装填手順と早込についてお願いします


【回答】 Geminiさん

火縄銃の装填(そうてん)は、現代の銃に比べると非常に工程が多く、熟練した兵士でも1発撃つのに30秒から1分ほどかかりました。その時間を短縮し、実戦での火力を維持するために開発されたのが**「早込(はやごめ)」**です。


それぞれの詳細について解説します。

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1. 火縄銃の基本装填手順(平時)

通常は「合子(ごうし)」と呼ばれる容器から火薬を計って入れ、玉を込めます。

  1. 洗盤(せんばん/つゆはらい):

    前の射撃で残った火の粉や煤(すす)を掃除し、暴発を防ぎます。

  2. 込薬(こめぐすり)の注入:

    銃口から発射用の火薬を入れます。

  3. 玉入れ:

    鉛の玉を入れます。この際、玉を紙や布(送り)で包んでおくと、銃身に密

    着して威力が上がります。

  4. 逆突(さくる/かるか):

    「かるか(折金)」という棒を銃口から差し込み、火薬と玉を奥へしっかり

    と突き固めます。これが「下を向いても玉が落ちない」ための重要な工程で

    す。

  5. 口薬(くちぐすり)の塗布:

    火皿(ひざら)に点火用の細かい火薬を盛り、火蓋(ひぶた)を閉じます。

  6. 火縄の装着:

    火のついた火縄を「火挟(ひばさみ)」に挟みます。これで発射準備完了で

    す。

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2. 「早込(はやごめ)」の仕組みと役割

早込は、現代でいう**「予備マガジン」や「カートリッジ」**に近い画期的な発明です。

・ 構造:

  木製(ツゲや竹)や紙製の小さな筒で、中に**「一発分の火薬」と「鉛玉」**が

  セットで入っています。

・ 使い方:

  1. 筒の蓋を取り、中身の火薬を銃口へ一気に流し込みます。

  2. そのまま筒を逆さまにして、中に入っていた玉を銃口へ落とし込みます。

  3. 空になった筒を、そのまま「押し棒」の代わりにして玉を突き固めるタイプ

    もありました。


早込のメリット

・ スピード: 火薬を計量する手間が省けるため、装填速度が大幅に上がります。

・ 確実性: 暗闇や混乱した戦場でも、火薬の量を間違えることがありません。

・ 固定力: 早込の玉はあらかじめ紙などで包まれていることが多く、銃口を下に向

  けた際も、より確実に銃身内に留まるよう工夫されていました。

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3. 実戦での工夫

特に城郭などの防衛戦では、以下の方法でさらに効率を高めていました。


・ 分業制:

  「撃つ人」と「込める人」に分かれるパターンです。撃ち終わった銃を後ろへ渡

  し、装填済みの銃を受け取ることで、間断ない射撃(つるべ打ち)を可能にして

  いました。


・ 竹筒の活用:

  早込を数個〜十数個つなげて腰に下げ、スムーズに取り出せるようにしていまし

  た。


  豆知識

  ちなみに、火縄銃の弾丸が銃身の中で「遊び」があるのは、連続して撃つと煤が

  こびりついて、次第に玉が入らなくなるのを防ぐためです。そのため、激戦にな

  ればなるほど、布や紙による「詰め物」の役割(玉の固定と気密性の確保)が重

  要になりました。


次は、当時の火縄銃の命中精度や、狙撃の際に使われた「台座」などの道具について興味はありますか?

早込など技術が無ければ実際に打てなかったであろうと思いますし、年代と地域での技術の伝達のタイミング次第でしょうか。

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