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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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貸切85号車 入れ違い

2024年10月23日にカクヨムで公開したものです。

 雪が吹き荒れる中、道なき道を進んでいき、ようやく辿り着いた魔王の城。

 言霊のヨミこと語部かたりべよみが扉を開くと、城内は無人だった。


「一歩遅かったですか……」


 つい先ほどまで誰かがここに居たという痕跡は残されている。

 魔王が集結することは分かっていたのに、タッチの差で逃してしまったらしい。


 悔しさを感じつつも表情には出さず、読は冷静に次の行動に移る。


 再び外に出て、城の周囲を見て回る。

 そこで、あるものに目が留まった。


「この轍。大型バス?」


 雪面に残ったタイヤの跡。

 普通の乗用車の幅よりも太いことから、先日乗った高速バスと同型の車両がここに停まっていたと推測する。


「魔王ならバスに乗らなくとも、移動する術などいくらでもあるはず。なら、どうして?」


 読は思考を巡らせ、魔王たちの行動理由を読み解く。

 そして、脳内で一つの仮説を立てた。


「魔法を使うと魔導士に気付かれる。街の中を堂々と移動すれば騒ぎになる。目的地まで隠密に移動するには、バスが最適解だった……?」


 だとすれば、向かった先は人通りが多い場所にあり、かつ魔導士が集まる場所。


「つまり、魔王の目的は修道院?」


 千年前、同じ勇者として名を馳せた佐藤さとう美神みかみが自らが神となるために立ち上げた宗教であるザカリ正教。その本拠地。


「とすると、魔王は千年前のリベンジでもするつもりでしょうか?」


 恐らくは今もそこで美神は暮らしているはず。

 美神の強大な力を以てすれば魔王など簡単に返り討ちにしてしまうだろうが、それでもやはり三人の魔王がタッグを組んでいるという状況は不安だ。


「誰一人、被害者は出させない」


 読は言葉にした時点でその通りになる決意を口にして、王都近郊にある修道院へと急いだ。

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