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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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異36系統 モークアット地塁〜ララ川新橋〜王都北門〜王城前

2023年8月16日にカクヨムで公開したものです。

 夏真っ盛り。外は37度を超える猛暑だ。


 間もなく発車時刻。私は運転席の後ろに置いてある2リットルペットボトルの天然水を少し飲んで、しっかりと水分補給を済ませてから前扉を開けた。


『ピンポンパーン。大変お待たせ致しました。このバスは異36系統、ララ川新橋経由王城前行きです。発車までしばらくお待ち下さい』


 始発のバス停で待っていたのは、短剣使いの女の子と巨大な盾を持った小柄な女の子の二人組。うろ覚えだが、以前にも乗せたことがあるような気がする。


「お願いします」

「お願いしま〜す」


 少女二人は礼儀正しく挨拶をしながら220ゴールドを払って、車両後方の二人掛けの座席に仲良く座る。


「あ〜、涼し〜い」

「やっぱりバスは快適だねぇ」


 冷房の風に当たりながら、二人はにっこりと笑い合っている。

 こんな暑い日はエアコン無いときついよね。分かる、分かるよ。


 続いて乗り込んできたのは戦士風の女性。胸元に一応防具は付けているものの、へそ出し且つミニスカという大胆な肌見せコーデ。


 確かに動きやすいし暑くはないだろうけど。

 そんな恰好で戦って大丈夫なんです? というか恥ずかしくないんです?

 私にはあんな服装で外を出歩く勇気は無いよ……。


 露出多めの女戦士は220ゴールドを硬貨投入口に入れると、後扉に一番近い一人掛けの席に座った。


 と、ここで発車時刻になる。

 扉を閉め、バスを発進させる。


『発車致します。お掴まり下さい。本日も埼京交通バスをご利用いただき、誠にありがとうございます。この車は、異36系統王城前行きです。次はゲテラ平原。お降りの方はブザーでお知らせ下さい』


 バスが走り始めてからしばらくして。

 戦士の女性がぽつりと呟いた。


「寒いわね……」


 車内は冷房がガンガン効いている。

 が、別にそこまで設定温度が低いわけじゃない。

 後方に座る女の子二人も普通に涼しそうにしているし、私の感覚がおかしいということも無いだろう。


 そうやってお腹とか出してるからいけないんですよ?

 なんて心の中で文句を言いつつも、どこかで停まったタイミングで設定温度を上げてあげようと考える。


 するとその時、二人組の少女の片方が巨大な盾を女戦士の頭上に差し出した。


「これなら寒くないんじゃないですか?」

「あらありがとう、お嬢さん」


 どうやら寒がる女性を気遣って、冷房の風を盾で遮ってあげているらしい。

 うん、その優しさは素晴らしいよ。でもね。


「すみませんお客様。車内で盾を構えるのはちょっとご遠慮頂けますか?」


 流石にバスの中でそのでっかい盾を使うのはやめてほしい。

 シンプルに危ないし、もしこのあと他のお客さんが乗ってきたら迷惑になるし。


「わわっ、ごめんなさい!」


「もし寒いようでしたら、その風が出てる場所をくるっと回すと向きを変えられますので」


 マイクをオンにしたついでに、風が出る向きを変える方法を教えてあげる。


「あっ、本当だわ」


 私のアドバイスを聞いて、戦士の女性が頭上のエアコン吹き出し口をいじり始める。最初は少し手こずっていたものの、最終的に自分に風が当たらないようにすることに成功する。


『次はララ川新橋。王国騎士団からのお知らせです。最近、狩り場でのスリやひったくりが増えています。冒険者の皆様はくれぐれもご注意下さい。また、そのような行為を見かけた際には騎士団まで報告をお願い致します』


 冷房騒動はこれにて一件落着となった。


 皆さんはバスのエアコン、強めと弱めどっちがいいですか?

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