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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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異29系統 ラフォク新市街BT〜ログロップ魔法研究所〜魔導具開発センター前〜王国魔法博物館

2023年6月28日にカクヨムで公開したものです。

 このラフォクという街は魔法都市と呼ばれていて、あらゆる魔法や魔導具に関する施設が集積しているために優秀な魔法使いや魔導士が多く住んでいる。

 だから利用客もほとんどが魔法や魔導具を扱えるようだ。


『次は魔法魔導庁ラフォク事務所。バスのすぐ前や後ろの横断は非常に危険です。バスの発車後、左右をよく見て横断しましょう』


 国家機関の建物のすぐ目の前にある停留所が近づいてくると、待っているお客さんの姿が見えた。

 停車して扉を開けると、立っていたのはこの世界での正装に身を包んだ男性だ。手には高価そうな鞄を提げている。もしかして官僚だろうか?


 その官僚風の男性はバスに乗り込むと同時に、被っていた山高帽子を取って上品に一礼した。


「おはようございます」


 丁寧なお辞儀に、こちらも慌てて挨拶を返す。


「あっはい、おはようございます」


 頭を下げてから「こっちも帽子を取らなきゃ失礼にあたるのでは?」と一瞬焦ったが、今はクールビズ期間のため元々制帽を被っていなかった。

 乗務中にこんなかしこまった挨拶されたの、初めてだよ。


「220ゴールドで良かったかな?」

「はい。こちらに入れて頂ければ」


 すると突然、男性の鞄が淡く発光し勝手にかぶせが開いた。中から財布がふわふわと浮かんできて、男性の手元に収まる。


 んんっ、何だこれ!? 魔法か?


 思わず目を見開いてしまった私の反応に気付いたのだろうか、男性が言う。


「ああこれはね。僕が開発した魔導具なんだよ。鞄から物を取り出すのが面倒でね」

「へぇ、すごいですね」


 異世界に来てから大抵のことには慣れたつもりだが、魔法だけは何度見ても驚いてしまう。非科学的すぎる現象に、脳が理解することを拒否しているのかもしれない。


 男性が220ゴールドを支払うと、『ピンポーン』と精算完了の電子音が鳴る。


「それじゃ、開発センターまでよろしく頼むよ」


 彼が一人掛けの席に座ったのをミラー越しに確かめ、前扉を閉めてバスを発進させる。


『この車は異29系統王国魔法博物館行きです。次は王立魔法大学ラフォク分校。お降りの方はブザーでお知らせ下さい』


 私も一回くらい、魔法使ってみたいなぁ……。どうせなら空とか飛んでみたいよね。

 なんて、くだらない妄想をしながらウインカーを出した私は、ハンドルを切って交差点を左に曲がった。

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