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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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128/155

(循環)シティライナー106便 王城前〜(都市高速経由)〜ラフォク新市街BT

2025年5月14日にカクヨムで公開したものです。

 まだ開通したばかりの新しい高速道路。

 アクセルを踏み込み、気分良くハンドルを握っていたはやてだったが、ふと違和感を覚える。


「あれ? このトンネルの入口、なんか知っとんな……? なんでやろ?」


 初めて通る道のはずなのに、なぜだか既視感がある。

 日本に似たような場所でもあっただろうか。


 するとその時、乗客の一人が突然大きな声を上げた。


「運転手さん、次の出口で降りてくれ! このまま行くと事故に巻き込まれる!」

「じ、事故ですか?」

「ああ。説明は難しいんだが、とにかくこのトンネルは危ない!」


 高校生くらいの少年が鬼気迫る表情と口調で訴えてくるので、はやては困惑しつつも次の出口の分岐のある右車線に移る。


「どうしたの、ギンガ? 事故ってどういうこと?」


 いきなりそんなことを叫んだ少年に、隣に座っていた恋人と思しきエルフの少女が首を傾げ、戸惑いを浮かべる。

 それは、他の乗客も同様で。


「おいおい、あいつ寝ぼけてんじゃねぇのか?」

「っていうかさ、事故が起きたなら普通は通行止めになるんじゃない?」


 当然ながら、少年が突如として主張し始めた訳の分からない話を誰も信じはしない。

 車内が騒がしくなる中、しかし、はやてだけは彼の言っていることが正しいと思えた。


 なんか分からんけど、ウチも嫌な予感がすんねん。


「大変申し訳ございませんが、一旦こちらで高速を降りさせていただきます」


 本来なら本線を真っ直ぐ進めばいいところを、右ウインカーを出して出口へ。



 その後、一般道を走行しつつ、どこかで高速に乗り直そうと考えていたら。


 地震のような揺れと衝撃音と共に地面を突き破って現れた何かに、高速バスの車体が突き飛ばされた。


「は?」


 はやては呆然としたまま、目の前に広がる景色を見つめる。

 正面に道路は無く、ただ綺麗な青空が広がっている。


 刹那、バスは地面に落下し、燃料の水素が爆発。

 車体は乗客乗員諸共、真っ赤な炎に包まれた。

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