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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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112/155

異95系統 タチュイ川〜フィノ村〜ファチオー城〜ティアキアオ山口

2025年1月22日にカクヨムで公開したものです。

『次は西ファチオー城。バスのすぐ前や後ろの横断は非常に危険です。バスの発車後、左右をよく見て横断しましょう』


 雪のちらつく王都の郊外を山の方に向かって進んでいく。

 車内は静か。乗客は皆、黙々とスマホをいじっている。


 交差点で馬車の横断を待つ間にミラー越しにその様子を眺めて、マルメラーダは一昔前には考えられなかった光景だなと思う。


 千年前に文明が崩壊して以降は、スマホなどの通信機器はザカリ正教の執行人だけが所持を許された機密品だった。

 それが今や一般人が当たり前のように使い、メッセージのやり取りやゲームを楽しんでいる。


 けれど、きっとこいつらはどういう原理でスマホが通信しているかを知らない。


 馬車が横断し終えたので、左右の安全を確認してからバスを発進させる。

 バスがトンネルに入ると、乗客の一人が「あれ?」と声を漏らした。


「動画がずっとぐるぐるして再生されない。壊れたかな……」


 そんな呟きに、マルメラーダは小さく鼻で笑った。


 通信は千年前の古代文明の時代に構築された低軌道小型衛星コンステレーションを経由して行われている。

 だから電波が遮られるトンネルの中で繋がる訳が無ぇんですよ、バーカ。


 しばらくしてトンネルを抜けると、「あぁ動いた」とホッとした様子で動画を見始めた。


『ご乗車ありがとうございました。次は終点、ティアキアオ山口。お忘れ物ございませんようご注意下さい』


 でもでも、こんな自然豊かな山に来てまでスマホに夢中になってる人って、すっごく人生損してると思いますぅ。


 やっぱり、一般人にスマホを広めたのは間違いなんじゃないですかぁ?

 勝手にこっちの人工衛星を利用して通信事業を始めやがったムーンサルトのクレセントこと、月夜野つきよのかけるさん?

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