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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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110/155

インターバル 働き方改革、進んでますか?

2025年1月8日にカクヨムで公開したものです。

 お正月も休みなく働いていたはこびの、久々の休日。

 普段はなかなか飲めないお酒も、今日は思い切り飲める!


 というわけで。

 はこびは王都にオープンしたばかりの酒場にやってきた。


「いらっしゃいませ〜。何名様ですか?」

「一人です」

「カウンター席でよろしいですか?」

「はい。どこでも」

「では、こちらへどうぞ」


 店内に入ると、どこか懐かしい気持ちになる。

 理由を考えて、すぐに思い至った。


 店員さんの格好といい、店の作りといい、全てが日本の居酒屋っぽいのだ。


 通された席に座って、メニューを眺める。

 やはり、異世界の酒場というよりも日本の居酒屋に近いラインナップ。


「ご注文お決まりですか?」

「とりあえずビールで」

「かしこまりました」


 注文を済ませると、不意に隣の席に座っていた若い女性がドンと勢いよくジョッキをテーブルに置いた。


 何やら機嫌が悪そう。


「毎日毎日、残業残業……。やってられるかぁ〜っ!」


 酔っ払った女性の叫び声が店内に響き渡る。


 直後、女性がこちらを見て一言。


「お姉さん、ご職業は?」


 突然話しかけられた。


「えっと。バスの運転手です……」


 こんな風に絡まれたのは初めてだったので、気圧されてつい答えてしまった。


「へぇ、バスね。ってことはクリスマスも正月も仕事? 長時間労働当たり前?」

「まあ、そうですね」

「そっかそっか、お互い大変だね〜。働き方改革って本当に存在するのかしら」

「私の会社では、それなりに進んでいるとは思いますけど」

「それはあなた達は人の命預かってるんだから、ちゃんと休んでもらわないと。私はギルドで受付やってるだけだからね〜。厄介で面倒な冒険者と立ちっぱなしで延々と応対するの、本当に疲れる! 嫌になる!」


 女性は話しているうちに再び仕事での嫌なことを思い出してしまったようで、大きく溜め息を吐いた。


「すみませ〜ん、ビールもう一杯!」


 新しいジョッキが運ばれてくるや否や、女性はそれを一気に飲み干す。


「大体、私が残業する羽目になってるのは、冒険者がどいつもこいつも弱すぎるせいなのよ。……いっそのこと、私がモンスターを倒してしまおうかしら? フードを被っていれば正体バレないわよね?」



 冒険者ギルドの受付嬢って花形の職業ってイメージだったけど、もしかしたら違うのかも?

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