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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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異92系統 ツキカゲモール〜(無料シャトルバス)〜ラフォク新市街BT

2024年12月25日にカクヨムで公開したものです。

 埼京交通バス異世界営業所はツキカゲ商会より輸送を受託し、ラフォク新市街バスターミナルとツキカゲモールラフォクとの無料シャトルバスの運行を行っている。


 そんなシャトルバスは、当然クリスマスも休みなく走っている。

 というか、むしろショッピングモールとしては稼ぎ時なので運休なんてしている場合ではない。


 日も暮れてきた夕方。

 イルミネーションが輝き出したモールの停留所には、カップルや家族連れの姿が多く見られた。


「お待たせいたしました。ラフォクターミナル行きです」


 アナウンスしつつ前扉を開けると、あっという間に車内が人で埋まる。


 ワイワイガヤガヤ。

 みんな笑顔で楽しそうで、どこか浮かれた雰囲気。


 いいなぁ。

 ルームミラー越しにその光景を眺めながら、羨ましいなと思う。


 クリスマスなのに大切な人の手じゃなくて、ハンドルを握っている私……。


 でも別に、それを虚しいとは思わない。

 だって私、バス大好きだし。仕事も好きだし。


「発車します。お掴まりください」


 発車時刻になったと同時、私は扉を閉めてバスを発進させた。



 その日の夜。

 営業所に戻った私は自分のロッカーから小さな袋を取り出すと、みんなのデスクの上にそれを一つずつ置いた。

 いつもお世話になっている同僚や後輩への、ちょっとしたクリスマスプレゼントである。


「メリークリスマス。みんな、喜んでくれるかな?」


 小さく呟いて、「ふふっ」と笑う。

 私は明日も遅番なので、みんなのリアクションが見られないのはちょっぴり残念。



 ちなみに。

 翌日の朝、プレゼントに気付いて袋を開けたはやてとこころのリアクションは以下の通り。


「おっ、何やこれ?」

「クリスマスプレゼント、なのです?」

「あぁ、はこびからか。開けてみるで。中身は……。おっ、バスソルトや!」

「お風呂に入れたら疲れが取れそうなのです」

「でも何でこれを選んだんやろ?」

「バスだから、なのです……?」

「あっはは、ダジャレかいな。そんじゃあ、はこびは路線バスもお風呂のバスも好きってことやな?」

「そうかもしれないのです」


Q.はこびさん、今年はこれで最後ですが何か一言ありますか?

「バスソルトはダジャレじゃない! みんなのことを色々考えてこれにしたのっ!」


 全くもう。はやてのせいで、こころまで変なこと言うようになっちゃってるじゃん。

 一年のラストにダジャレなど言う訳が無い。


 それではまた来年も、私たちと埼京交通バスをよろしくお願いします!

 皆さん、良いお年を!

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