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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第二期中期経営計画

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異89系統 ファチュー本町〜サツグット広場〜ツキカゲモール〜ラフォク新市街BT

2024年12月4日にカクヨムで公開したものです。

 時が経つのは早いもので、あっという間に十二月。

 暦の上ではディセンバーである(これ流行ったの何年前だっけ?)。


『次はツキカゲモール。……次、停まります。バスが完全に停車するまで、席を立たないで下さい』


 郊外型の大型商業施設の駐車場に入り、モール正面入口そばの停留所に停車。


 扉を開けると、数人のお客さんが席を立って後扉からバスを降りていった。

 同時に、前扉から新たなお客さんが乗車してくる。


「よいしょっと」


 乗り込んできたのは、両手に大量の紙袋を持った白髪の若い女性。

 手が完全に塞がってしまっているため、その状態で財布を取り出してコインを運賃箱に投入するのは不可能だ。


 どうするつもりだろうか?

 魔法が使えるなら話は別だろうが、普通の人間であれば一旦床に荷物を置くしかない。


 様子を見守っていると、女性は手首に着けていた腕時計をおもむろにICカードの読み取り部にかざした。


『ピピッ!』


 支払い完了の電子音が鳴る。

 女性はそのまま車内へと進み、後方の二人掛けの座席に紙袋を置きつつ座った。


「スマートウォッチの電子決済……」


 日本では当たり前の光景だけれど、異世界で使われると違和感がすごい。



 どうやらこの世界でも、最近は電子機器が普及し始めているらしい。

 特に若者を中心にスマートフォンやウェアラブルデバイスの所持率が急速に高まっていると、先日の新聞で読んだ記憶がある。


 この世界はまだ法律や制度が十分に整っていない上、改善すべき点も多いことから革新的な技術が受け入れられやすい。そのため、既存の技術を経ることなく、一足飛びで最新技術に到達する現象、いわゆるリープフロッグ現象が起きているようだ。


 記事の中ではツキカゲ商会が開発に成功したと書いてあったが、もしかすると開発者は私と同じ日本人なのかもしれない。



 その後も日を追うごとに、スマホ決済で運賃を支払うお客さんは増えていった。

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