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About You  作者: 遠藤 敦子
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 話を聞くと、私とデートするたびにプ○ミスという消費者金融で借金をしており、次第に返せなくなっていったのだという。私の教育係をしていてある程度の地位と年収はあるはずなのに、どうして借金をせざるを得なくなったのか。

「じゃあなんで返せなくなったの? ぴーちゃんくらいの経歴があればある程度返せるお金あるでしょ」

私がさらに問い詰めると、実は2歳の娘がいて養育費を払っており、さらには元奥さんに慰謝料も払っているそう。ちなみに元奥さんが娘さんの親権を持っているが、元奥さん本人がぴーちゃんには2度と会いたくないとのことで、娘さんには会わせてもらえないらしい。

 幸せの絶頂にいたので気づいていなかったのだけれど、今思えばモラハラっぽいところもぴーちゃんにあったなと思った。例えばお酒に酔うと同じ話をくどくど繰り返したり説教くさいことを言ったりしていたし、私は生まれつき爪が薄くてネイルできないのに「すーちゃんもネイルとかしたら? 何もしてないって女の子らしくない」と言ってきたこともある。


 「……ごめん。今日泊まる予定だったけど帰る」

私はそう言ってぴーちゃんの家から出た。歩きながら冷静に考えると、離婚理由はぴーちゃんのモラハラや借金や浪費ではないかと思うようになる。こんな嘘ばかりつくような人は信用できないと考え、私は家に帰ってからぴーちゃんに電話で別れ話をした。

「こんな嘘ばかりつく人だなんて思わなかったです。私はもう付き合いきれないので別れてください」

私が別れ話をするも、ぴーちゃんは泣きながら「嫌だ……。すーちゃんと別れたくない……」と渋っている。しかし私の決意は固かったので

「泣かれても私の気持ちは変わりません。もう無理です。ごめんなさい」

と言うと、ぴーちゃんは渋々ながらも別れを了承する。

「わかったよ、別れてあげる。その代わり、今まですーちゃんに使ったお金とかプレゼント全部返して」

今までに使ったお金を返せと言われて驚いていると、私に費やしたお金の内訳が書かれたエクセルが送られてくる。合計金額は30万円を超えていた。

 「は……? 30万って……。こんな金額、払えない……」と私が言うと、「払えないなら別れてあげない」とのこと。怖いしこれ以上揉めるのも嫌だったので、その場では交際は続けると言ってしまった。しかし同じ職場にいるのも嫌だったので、翌日退職届を提出する。ぴーちゃん本人は休みだったので救いだったが、上司に昨日の経緯を話すと、引き継ぐこともないし明日から有休消化に入っていいよとのことだった。

 ぴーちゃんのことがある前から辞めたいという気持ちが強く、有休消化前から会社に内緒で転職活動しており、その日の退勤中に行きたかった企業から採用の連絡が来る。転職先が決まり、ぴーちゃんに家に押し掛けられたくなかったので実家に戻ることにした。

 引っ越しも完了し、シンガポールへ1人旅に行く。旅先ではいろいろな人と出会い、ホテルで同じ部屋だったドイツ人女性と仲良くなって連絡先も交換した。私が帰国することになった時、彼女には「鈴に出会えて良かったわ」と言ってもらえたのだ。短い滞在だったけれど、帰国して、転職先で心機一転頑張ろうという気持ちになれた。

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