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About You  作者: 遠藤 敦子
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 退勤し、最寄駅に向かう。すると駅で待っていたぴーちゃんが私の手を引き、一緒に電車に乗ることになった。どこに行くとか何も知らされていなかったので、私は黙ってぴーちゃんに着いていく。目的地に着くと、ぴーちゃんはこれまた私の手を引いてデパートのジュエリー売り場まで連れて行った。連れて行かれた先はジュエリーブランドのヴァネッサ・シルヴァだ。

「彼女に似合いそうなネックレスって何がありますか?」

ぴーちゃんが店員さんに、私に似合いそうなネックレスを見せてほしいと頼んでいた。

「若くて可愛らしい方ですし、色白でいらっしゃるので、ピンクゴールドのネックレスとか似合うと思いますよ」

店員さんはショーケースからピンクゴールドのネックレスを3種類出す。出されたのはハートモチーフ、フラワーモチーフ、ドロップモチーフの3種類だ。

「すーちゃんが好きなの選んで良いよ。誕生日だし」

ぴーちゃんの言葉に甘えて、私はハートモチーフのネックレスを選んだ。ぴーちゃんがクレジットカード一括払いで会計し、その場で私に購入したネックレスを着けてくれる。

 それからはデパート内のレストランに連れて行かれ、2人で食事をする。ぴーちゃんがレストランを予約してくれていたそう。コース料理を楽しみ、最後にデザートプレートが出てきた。店員さんが「お誕生日おめでとうございます!」と言いながら運んでくる。ケーキとフルーツの盛り合わせで写真映えするような見た目だ。“Happy Birthday Suzu”とメッセージが書かれており、私は感激した。ここまでしてもらえるなんて思っていなかったから。

 ぴーちゃんとこれからも一緒にいたい。ゆくゆくは結婚して2人で住んで、子どもも持ちたい。そう考えるようになる。しかし幸せは長くは続かなかったのだ……ーー。



 ぴーちゃんと付き合って1年が過ぎたころ、私はぴーちゃんの1人暮らしの家であるものを見つけた。「部屋汚いから」などと理由をつけられ、これまで私はぴーちゃんの家に行く機会が滅多になかったので、久しぶりにぴーちゃんの家を訪れることになったのだ。

 ぴーちゃんの部屋でのんびりと映画を観ながら過ごしていたけれど、ぴーちゃんがトイレに行くといって部屋から出てしまう。私が見つけたあるものとは、督促状だったのだ。ぴーちゃんって借金してるの? なんで私に今まで隠してたの? 私は頭が真っ白になった。

「なんか督促状が届いてたんだけど、これってどういうことなの?」

数分後にトイレから戻ってきたぴーちゃんを問い詰めた。するとぴーちゃんの口から衝撃的な事実が飛び出すことになる。

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