プロローグ
皆さんは『ラプンツェル』のお話を知っているだろうか。
このお話は少し、いや、かなり変わった『ラプンツェル』の世界に転生した一人の少女、謎迷のお話だ。
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「第一志望大学に合格した、自分へのご褒美だ!」
私、椎名謎迷18歳!
ピッチピチの現役高校生だ。
まあ、あと一月もしないうちに卒業するがな!
私はルンルンでドーナツを口に詰め込み続ける。
この際、カロリーとかもう気にしない!
「んんっ?!」
ドーナツが喉に詰まった。
「んぐぐっ!」
苦しい苦しい苦しい!
何か飲み物、み、水!
急いで冷蔵庫を開け、牛乳をコップに注ぐ、、、
牛乳を飲み込む飲み込む飲み込め、、、ない!
ああ、、、、、、もう、
意識がーーー
☆♬♭#♯☆♬♭#♯☆♬♭#♯☆♬♭#♯✹✹✹
─✗✗✗✗様!─
誰かの声が聞こえた気がした
「?」
─モーガン様!─
今度ははっきりと聞こえた。
「あ、、、」
謎迷が目を開けると、そこには金髪で長髪の幼子が目一杯に涙を溜め、心配そうにこちらを見下げていた。
生温かい水がぽたぽたと謎迷の頬に落ちてくる。
幼子の目から水がポロポロと溢れ出す。
その様子はまるで無限に出てくる宝石のようで・・・・・・
「きれい・・・」
「・・・・・・は?」
幼子は、一瞬キョトンとした後、分かりやすく顔をしかめた。
どうやら声に出ていたようだ。
「モーガン様?」
またもや幼子が謎迷に向けて呼びかける。
ああ、またこの子は自分のことを『モーガン様』と呼ぶ。
謎迷は謎迷なのに・・・
なのになぜかこの幼子に『モーガン様』と呼ばれてしっくりきてしまう。
ああ
ねむい
きっとこれは夢なんだ
夢なら早く
早く
目覚め・・・ない・・・と・・・・・・・・・