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~馬鹿にされ続けた僕は異世界で最強になりたいっ!~
「はぁ、はぁ、はぁ…くそぅ…ずっとバカにしやがって…今に見てろよっ!」
貧民街の住宅地をボロボロの服を着た少年がふらふらと歩いていく。
家々の壁に体を預けながら、ふらふら歩いていたために石に躓いた。
ドサッ
「くっ、いってぇ…俺は、俺は死ぬのか?…何もできずに、このまま…」
うつ伏せで少年は地面に倒れてしまった。
ぎゅる、ぎゅる、ぎゅる
少年のお腹が大きな音を出して鳴った。少年は諦めたような顔をし仰向けに転がった。
「はぁ…短かったなぁ…もし、転生できるのならば、誰にも負けないくらい強く、馬鹿にされないほどに…大事な人を…守れる…ように…なりたい…」
そう言って、掌を太陽に向けてこぶしを握った。そのまま、体から力が抜けていき腕が胸に落ちた。そのまま、悔し気にして目を瞑った。少年は人気のない路地裏でその短い生涯を終えたのだった。