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ボス攻略に向けて

ソロでダンジョンに行ってから1週間と少しが経過し、異世界[マザー]に来てから1か月が経過した。あれから数度、ノーカーズとのパーティーやソロでダンジョンに潜ったりしていた。

一日の収入が500ベル前後稼げるようになり、貯金も出来てきた。しかし武器は今の鉄の剣+10が思った以上に強く、サンダーエンハンスとの相性も良いため買い替えは考えていない。防具を鉄ではなく良い素材にしようと思ったが、それはそれで高すぎて予算オーバーしてしまった。そのため、貯金額が1万ベル程となっている。


――ちなみに、暦や曜日は完全に地球のグレゴリオ暦と一致しているようだ。神様がそうしたのか、地球人の先輩が広めたのかはわからない。科学技術はないが、冷蔵庫やコンロ、聞いた話ではエレベーターなんかも魔力で再現している。過去に地球人が広めたとみて間違いなさそうだ――


また受付嬢――フローラさんというようだ――から依頼を勧められて、1度だけ受けて達成した。農地をグレイトボアが荒らして困っているとのことで、倒してほしいとのことだった。

ダンジョンで既に何度も狩っていたため、通常より大きいサイズだったが特に問題なく倒すことができた。

そしてこの日ノーカーズはオフだったが、ギルドに来ていたバランが荷物持ちを買って出てくれたため、倒したグレイトボアをその場で血抜きして捌き、美味い肉の部位を持って帰ってきて売ることができた。魔法で温度調節することができるため品質も良く、大きい個体だったため、なんと1500ベルにもなった。専業で狩る人がいるのも頷ける。


もちろんタダでこんなことをしてくれるわけではなく、500ベルを渡したのと、自分たちが食べる部位は別にとっておき、『小鳥の囀り』に持ち込み、ステーキにして夕食にしてもらった。

やはりグレイトボアの肉は美味い。この日は持ち込みだから特大サイズ。異世界1か月の節目に、最高の夕飯だ。


「キンジ、9Fでの狩りも安定してきたし、そろそろボスに挑戦してみないか?すっかりうちのエースがキンジになっちまってるけどな」


「俺もそろそろボスを倒したいと思っていた。今度、行ってみよう」


魔法を幅広く使える俺の火力が飛びぬけているのは仕方のないことだろう。

それに、バランのように敵の攻撃を正面から受け止めたり、ジョーのように幅広い視野を持って援護したり、タイトのように野生の勘ともいえる敵の隙を見つけて突いたり他社のサポートをする能力は、俺にはまだない。まだまだ見習うべき点が数多くある。


「分かった。流石に明日じゃ急だから、明後日だな。よろしく頼むよ」


「あぁ、こちらこそ。南の洞窟、踏破してやろう」




バランとグレイトボアのステーキを食べた翌日は、明日のダンジョンボス攻略に向けて休日にした。久しぶりに街をブラブラしていると、教会を見つけた。


「そういえばランス王国の国教はエリス教で、俺を異世界の呼んだのはエリス様だったな。教会の像、エリス様そっくりだな」


もう1か月も前のことなのかー…と思いつつ、教会に入る。見ると司祭様?と、数人の街の人々が祈りを捧げていた。

どうするべきなのかな、お布施とかいるのかな、と考えていると…

――

エリス教の教会では、庶民は1ベルお布施してお祈りすることが多いです。

貴族や金持ちの商人などは、多額の寄付をすることがあります。

――

常識さん、ありがとう。庶民なので1ベル、捧げます。


お賽銭箱にポケットから1ベル…1銅貨を投げて、お祈りした。

この先もケガなく無事に冒険者生活を出来ますように…と。


「ありがとうございます。初めてですね、冒険者の方でしょうか」


司祭様から声をかけられた。どうしよう。


「あぁ、すみません。私、エリス教の司祭で、ソフィアと申します」


「キンジと言います。冒険者を稼業としています」


「やはりそうでしたか。死と隣り合わせの職業ですので、冒険者の方は結構見えられるんですよ。大きな依頼の前や、ダンジョン攻略に出向く前などに来られることが多いですね。キンジさんもですか?」


「はい、明日初めてのダンジョンボス攻略なので、休憩がてら散歩していたら教会がありましたので」


「なるほど。頑張ってくださいね。エリス様のご加護かあらんことを」


この世界でも神頼みの文化があるんだな。地球と違って実在しているし、あってもおかしくないよな。

勧誘があったり、面倒ごとのあるイメージだったが特にそういうこともなく、会釈をして出てきた。エリス様は俺を連れてきた張本人だし、今後も大仕事の前に来てみてもいいかもしれない。


その後も特に目的なく買い食いしながら街ブラを楽しんだ。治安も良く安心して女性一人でも出歩ける、本当にいい街だ。それも衛兵さんの巡回や、良識ある冒険者がいてこそなのだが、この実力主義の世界でもこんな治安のよい街があるとは思っていなかった。

ここに家を買って住み着いてもいいかもな、と思える場所だ。冒険者として頂点を目指す、異世界の国々を旅する、となると無理な話だが、最終的に帰ってくる場所としてもいいかもな、なんてこの時は思っていた。



夜になったので『小鳥の囀り』に帰ってきて、マリーちゃんにボスとの戦いを心配されながら夕飯を食べた。マリーちゃん、かわいいな。

部屋に戻ってステータスを確認する。最近はまたスキルポイントの伸びも鈍化し、ボス戦前に50貯まることはなかった。



【技能スキル】

火魔法 Lv.4

水魔法 Lv.3

風魔法 Lv.2

土魔法 Lv.2

雷魔法 Lv.3

光魔法 Lv.2

剣術 Lv.4

隠密行動 Lv.3

鑑定 Lv.2

生命探知 Lv.2

罠探知 Lv.2


【固有スキル】

魔法適正

マニュアル化

異世界の常識

異世界言語


【スキルポイント】

45


火魔法や雷魔法、剣術は戦闘でよく使うため伸びるのが早いな。スキルポイントも、45か。ボスを攻略できれば50に届くだろう、楽しみだ。


土魔法は使い勝手が良い。石の弾を打つ…ストーンバレットと名付けた。直訳…は土のある場所であれば地面から直接打てたりするので、発動も早い。ほぼ物理攻撃なので相手を選ばずに打てるし、魔力消費も少ない。

また土の地面を凹ませたりもできる。落とし穴までいくと魔力消費が大きくなるが、相手の足元を凹ませると当然躓くので、崩すことができる。

土の壁…ストーンウォール…なんてのも出来る。守備だけでなく敵の分断にも使える。強度は魔力の込める力次第。

…思った以上に土魔法、万能だ。使いこなせるようにならないとな。


またこの世界の「常識」では、魔法は1度に1つしか発動できないし、キープしておくこともできない。しかし俺はファイアボールを事前に複数準備できるし、その間にサンダーエンハンスも発動できる。もちろん上限はあるが、それも少しずつ増えてきている。

できないと思い込んでいたらできないし、柔軟な考え方でやろうと思えばやれる。魔法だって自分のイメージだけで作って、それから名前を付けてイメージを固定して発動しやすくしている。他の人は魔導書などを読んで魔法を勉強しているのだから、根底から違うものだと思っておこう。


これらを駆使すればボス攻略なんて大したことじゃない、と思っている。自惚れでなく、恐らく俺の実力はDランクで収まっていないだろう。もちろんAランク、またその上の英雄と呼ばれるレベルの足元にも及ばないのだから、ここで止まるつもりもない。

山を1つ消した、魔物の大軍を一瞬で消滅させた、などと現実味がないレベルの逸話のある、現役の冒険者…英雄もいるのだから。それに同じ境遇の異世界人も俺と同レベルか、それ以上の人もいると考えた方がいい。万が一敵対することがあれば…実力は少しでもつけておきたい。



装備品のおさらいでもしておこう。

鉄の剣+10…魔法が主力だったが、錆を取り、サンダーエンハンスを覚えてからは、魔法剣が主力になりつつある。大事に使おう。

鉄の軽鎧…よく行く鍛冶屋でおすすめされた鎧。鉄製だが、動きやすいように間接部分はなく、胸当てや肘当てなどの細かく分かれた防具。動きやすさと移動時に音がしないことを優先したもの。くせがないので使いやすい。

革の帽子…そこそこ頑丈な革の帽子。軽さ重視だが、生半可な刃では切れないので、打撃は防げないが斬撃はそこそこ防いでくれる。

革のブーツ…この世界にはスニーカーという便利なものはない。あのクッション性、欲しいです。

魔力増強のミサンガ…地味だが確実に効果がありかさばらないので、切れないように大切に使おう。


さて明日はダンジョンボス攻略だ。武具の手入れをして、早めに就寝しよう。



―――――――――――――――――――――――――――

現在のステータス

【技能スキル】

火魔法 Lv.4

水魔法 Lv.3

風魔法 Lv.2

土魔法 Lv.2

雷魔法 Lv.3

光魔法 Lv.2

剣術 Lv.4

隠密行動 Lv.3

鑑定 Lv.2

生命探知 Lv.2

罠探知 Lv.2


【固有スキル】

魔法適正

マニュアル化

異世界の常識

異世界言語


【スキルポイント】

45


【装備】

鉄の剣 +10

鉄の軽鎧

革の帽子

革のブーツ

魔力増強のミサンガ


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