またみんなでお茶会を
「うぅ・・・」
あの後、我に返った私が見たのは、生温かく私を見守ってるみんなだった。
気絶できたらどれだけ楽だろうか。
現実でもこっちでも気絶とかはしたことないけど。
もう立ち直れなくなりそうだよぉ。顔から火が出そうだよ。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「全然だいじょばない」
「ええ・・・」
「嘘。もう平気だよ」
まだ顔が熱いや。
しばらくしたら収まるかな。
「その、ね。聞こうと思っていたのだけれど・・・」
ソフィア様が気まずそうにこちらを見ている。
どうしたんだろうか。
私たちの関係についてとか?・・・ま、そんなわけないか。
「あの・・・、その・・・・。街の人たちの様子はどうなのかしら・・・?その、けが人とか・・・」
ああ、なるほど。
今回の件はソフィア様の暴走によって引き起こされたものだものね。
気になるよね。
「街の人にけが人はいませんでしたよ。亡くなられた方もいません」
「プレ・・・。異世界からの旅人たちはけがしても治るし、死んでも復活するから気にしなくても大丈夫だよ!」
「よかった・・・」
ソフィア様は、ほっとしたように息をついていた。
街の人たちが誰もけがしてないって聞いた時、私たちもほっとした。
ハナミズキがいうには、かなり激しい戦いだったらしい。
それにも関わらず、街の人に被害が出なかったのはプレイヤーたちのおかげらしい。
ゾンビアタックしまくっていたらしい。街の人がドン引きするほど。
なんでも、ワールドクエストの貢献ポイントが目当ての人が多かったらしい。
でもそのおかげで、誰もけがしなかったのだから、貢献ポイントさまさまだね。
「今は、街に行く勇気はないけれど、いつかは行きたいと思っているの」
「ぜひ、来てください!」
「案内するよ!」
「私も行きたいですね」
「モイラさんも来たら案内しますよ」
「ふふ、楽しみにしてますね」
もしソフィア様たちが街に来たら、どこを案内しようかなぁ。
図書館とか、神殿?
冒険者ギルドもいいよね。今からでも楽しみだなあ。
「そういえば、最近、街のほうでは何か変わったことははあるのかしら」
「うーん、あったかなあ?特に大きなことはなかった気がするけど・・・」
「あ、そういえば、ポーションの値段が上がったみたいですよ」
「ポーションの?」
「はい。・・・といっても、もともとかなり値下がりしていたらしいので元に戻った感じみたいですよ」
「そうなの?街の人は困っていないの?」
「むしろ、ポーションの値段が上がったことにほっとしてました!」
「それはよかったわ」
ポーションの値段は、私たちプレイヤーたちが生産したものを売ろうとして値段を低く低く設定していった結果、どんどん値下がりしていったそうなのだ。住民の中の薬師さんたちも困っていたそうなのだが、ここ最近のポーション不足が値段をもとに戻したみたい。それに、プレイヤーたちのほうも「生産職の苦労を知れ!」ってことで値段をこのままにするみたい。・・・何があったんだろうか。
「他には何かあった?」
「そうですねえ・・・」
ソフィア様とモイラさんと話している時間はとても楽しくて、気が付けば帰らないといけない時間になっていた。
街に帰る頃には、もう真っ暗になっていて、現実でも晩御飯の時間になっていたのでログアウトすることになった。
またみんなでお茶会したいな。今度はお菓子を持って行かないとね。
読んでいただきありがとうございます!
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。
よろしくお願いします。