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Eternal World Online ~のんびりVRMMO日誌~   作者: はらみ
第一章 「カーネーションをあなたに」
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モイラさんは超がつくほど、ドジっこ


「うぅ・・・ぐすん」



しばらくして、やっとモイラさんが泣き止んだ。

私たちは最初呆然としてしまって何もすることができなかったが、何とか正気に戻って慰めた。だが、心の中には疑問が残ったままだ。

・・・この人、本当に機械のメイドさんなんだよね?全然そんな風に見えないよ。



「すみません・・・お恥ずかしいところをお見せしてしまって」

「いいえ、全く気にしてませんよ」



本音はすっごく気になるんだけど。

さっきまでの機械みたいな話し方はどうしたんだろう?

人間としゃべってるみたいに感じるよ。



「私は機械メイドなのに鈍臭くて、主様にもご迷惑ばかりかけてきました。他の子は全て完璧にこなせるのに、私だけ・・・」

「そ、そうなんですね」

「私は何をするにしても全然ダメで。水を運ぼうとしたら床にぶちまけたり、掃除をしようとしたら物を壊し余計に散らかしてしまったり。私、本当になんにも出来ないんです」

「・・・・」

「うわぁ・・・それはすごいね」

「お料理をしようとしたら、キッチンを爆発させちゃうし、よくこけちゃいます」



この人すっごくドジなんだなぁ。

それにしても機械メイドってこんなに個性があるのか。

他の子とも会ってみたいな。



「私がダメダメだったので、今の主様の前のお屋敷でも、前の前のお屋敷でも、怒られてばかりで・・・。主様に出会わなかったら、私はきっと処分されてました」

「・・・そう、なんですね」

「・・・すみません。お客様にこんな話をしてしまって」

「いいえ。・・・ずいぶんと苦労をされてきたんですね」

「あ、いえ。苦労といいますか、私のダメっぷりが引き起こしたことなので、自業自得です。今の主様に捨てられなかったのが不思議なんですよね」

「でも、私はモイラさんは素敵だと思います」

「僕もそう思う!」

「え?でも・・・」

「モイラさんは、そのドジなところが素敵といいますか・・・」

「僕、こんなにドジな人初めて見た!でも、そこがかわいい!」

「か、かわいい!?・・・主様以外に言ってくれたのはチェリー様たちが初めてです。・・・えへへ、嬉しいです」



確かに、生活に支障が出るくらいのドジだけど。

一人で生きるのも、誰かと生きるのも大変な性質だけど。

それでも、私はドジなところがとっても可愛らしいと思う。



「モイラさん。きっと異世界からの旅人達にモテるよ!」

「へ、モ、モテる!?」

「うん!絶対!」



確かに。モテると思うな。

だって、黒髪メガネ。泣きぼくろ。メイドさん。機械。そして、ボンッ・キュッ・ボンッ!な体形。

私が虚しくなるだけだから見ないようにしてたけど、いい体してるよ。本当に。

あれ?なんかハナミズキ、モイラさんに近くない?



「モイラさんかわいいから、自信を持って?僕は、モイラさんが笑ったら素敵だと思うな!」

「ふええ・・・」

「モイラさん!?モイラさん!?お姉ちゃん、どうしよう!モイラさんが!モイラさんが!」



あ、モイラさんがダウンした。

ハナミズキの言葉に顔を真っ赤にして、倒れてしまった。

頭から湯気が出てる。

た、確かに。あんなに至近距離でかわいいなんて言われたら、照れちゃうかも。

あぁ。ハナミズキ、なんて恐ろしい子!


読んでいただきありがとうございます。

これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。

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