機械メイド
「あの、図書館の本に挟まっていた地図を見てここに来ました」
「ハイ、承知シテオリマス。ドウゾ中ヘ」
「は、はい!」
うう、緊張するなぁ。
ハナミズキは落ち着いてる。私より年下なのにしっかりしてるよ。
扉が開かれる
「お邪魔します・・・」
「ヨウコソオイデクダサイマシタ」
扉のその先にいたのはメイドさんだった。
すっごい美人さんがメイド服を着ている。かわいい!かわいい!
メガネをかけた黒髪の美人さん!泣きぼくろ!そしてメイド!
こ、これが萌えというやつか!
でも気になるのは、ところどころ見える機械のようなパーツ。
この人は一体何者?
「私ハズットオ待チシテオリマシタ。私ガ主様カラ命令ヲ受ケテ537年と3ヶ月ト12日5時間3分50秒待チマシタ。命令ヲ下シタ主様モ534年ト5ヶ月ト53日4時間7秒前ニ亡クナリマシタ。私ハソノ間一人デ待チ人ヲズット待ッテ居マシタ。始メマシテ、主様ノ待チ人ヨ。私ハ、機械メイドの『モイラ』ト申シマス」
「あ、チェリーです」
「ハナミズキです」
無表情で言い切られる。なんか怖い。
それに、数字が細かい!細かすぎる!
秒単位って、ちょっとなぁ。
「にしても、500年以上を一人でですか、すごいですね」
ハナミズキがメイドさんに話しかける。
確かにすごいけど、無表情が怖くないの?
機械のメイドさんだから、ほめても無駄なんじゃ・・・。
任務を遂行したまでです、とか言われるんじゃないかな・
「ふふん」
ほら、ドヤ顔でこっちを見て・・・。
あれ?
「チェリー様、ハナミズキ様。ドウゾ奥ヘ。主様カラノ伝言ヲオ伝エイタシマス」
無表情だ。あれ、さっきのは見間違い?
でも、確かにさっきドヤ顔してたような・・・?
「コチラデス・・・・!?」
目の前を進むモイラさんがこけた。
その辺にあったものをなぎ倒しながら。
うわぁ、いいこけっぷり・・・じゃなくて!
「え、大丈夫ですか?」
「エエ、大丈夫デ!?」
またこけた。盛大にものを壊しながら。
・・・被害拡大。
何だろう?この人。
ドジっこ?大人のできるキャラ感あるのに、ドジっこなの!?
「あの、本当に大丈夫ですか?」
この人本当に500年以上を一人で生きていたんだろうか。
心配になるよ・・・。
「うう・・・」
「あの?」
「痛いよ~・・・。うぇーん!」
モイラさんが泣き出した。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。
モイラさんがドジっこキャラになってしまった。
普通の機械メイドのはずが!




