ハナミズキが消えた魔法は
「え、ハナミズキ!?」
さっきまで一緒にいたのに、どうして消えたの!?
まさか、緊急ログアウトが発動したの?
何らかの心理的負担がハナミズキにかかっていたとか、外部で何かトラブルがあったのかな。
どうしよう。いったんログアウトしてみ他方がいいのかな。
「どうしたの、お姉ちゃん?急に叫んで」
「え、ハナミズキ。いるの?」
「いるの?って目の前にいるでしょ」
「でも、姿が見えないよ」
「・・・僕からはお姉ちゃんの姿も見えるし、声も聞こえるよ」
ハナミズキが急に現れる。
「あれ、ハナミズキ?どうして」
「やっぱり、ここに魔法がかけてあるね・・・≪魔法解析≫」
「え?今何か言った?」
「これは結界・・・。それだけじゃない。あとは幻惑・・・人避け・・・、状態保存?」
「ど、どうしたの?急にぶつぶつ言って」
ハナミズキが現れたと思ったら、何もないところを見てぶつぶつ言いだした。
なんか怖い。
もしかして、バグったのかな。
「ん?今ね、≪魔法解析≫っていうスキルを使ったんだよ」
「へー・・・」
「その名の通り、魔法を解析するスキルなんだよ。魔法は結構自由だから一目見ただけじゃ分からないからね」
「確かにね」
魔法スキルって決められた技とかなかったもんね。
便利そうなスキルだなぁ。
「このスキルは、種族スキルなんだよ」
「そうなんだ・・・」
「まあ、今はプレイヤーのほとんどが魔術スキルだし、まだゲームも序盤だから魔法を使ってくる魔獣もいないから使い道がほとんどないんだよね」
「そっか」
確かに今はまだ使い道なさそうだね。
でも、プレイヤーのレベルが上がって魔法スキルが使われるようになったら無敵のスキルだ。
そんなスキルが種族スキルだなんて、大精霊っていう種族はすごいと思う。
「あ、お姉ちゃん。魔法を解析して分かったんだけど、ここら辺は結界が張ってあった」
「結界?」
「魔法で人や魔物の出入りを制限したり、この辺りに近づけないようにしてあった。それと、結界の内部に入るには鍵が必要だった」
「鍵?・・・でもさっきハナミズキ、結界の中に入ってなかった?」
「あ、うん。それなんだけど、鍵っていうのはこの地図のことなんだ」
「え、この地図が?」
「そう、これには魔法がかかっていてこの地図を持っている人とそれに付随する人・・・パーティーメンバーが結界内部に入れるようにする魔法がかかってるんだ。この地図を持ってなかったら結界に惑わされて、この辺りにはたどり着けない」
「そんな魔法が・・・」
一体この奥に何があるんだろう?
「じゃあ、中に入ってみようか。お姉ちゃん」
「うん。行こう、ハナミズキ」
ちょっとドキドキするなぁ。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。