これはゲーム?それとも・・・
文章を書ける能力が欲しい・・・
「じゃあ、お姉ちゃん。明日ね」
「うん。ここまで送ってくれてありがとう。気を付けてね」
「ありがとう」
どれだけ明日が気になっても寝ないといけない。
六時間は寝ないと「寝不足」状態異常になってしまう。
戦闘中に寝てしまったら大変だし、すっごく大事な時なのにハナミズキに迷惑をかけてしまう。
聖霊様を助ける手がかりが見つかったんだ。しっかりしないとね。
「おや、お帰り。チェリー」
「ターシャさん、ただ今戻りました」
「いよいよ物騒になってきたね」
「そう、ですね」
「チェリーも気を付けるんだよ」
「・・・分かりました。心配してくださってありがとうございます。でも、私は異世界からの旅人なので死んでも生き返ります。それに、私こう見えてもちょっと強いので大丈夫です!心配ご無用です!」
「そうかい?」
「はい!皆さんの事も守れるように微力ながら頑張ります」
「ありがとう、チェリー。頑張ってね」
「まだ、お礼を言われるようなことしてないですよ」
「守ろうとしてくれるその気持ちが嬉しいんだよ」
「・・・必ず、守って見せます」
この世界は人間によって作られた世界。
そう、これはゲーム。
プレイヤーは死んでも生き返る。
でも、この世界にはたくさんの住民がいる。この世界に住む人たちがいる。
そう、これは、ゲームじゃない。
・・・ゲームだけど、ゲームじゃない。
矛盾してるなぁ。
でも、私にとってこれが事実。
「夕飯、できてるよ」
「わあ、食べます!今日は何ですか?」
「今日はシチューだよ」
「本当ですか!?ターシャさんのシチュー大好きなんです。楽しみです」
私がゲームじゃないって思っても、人の意見は様々で何言ってんだゲームだろ?っていう人も居る。私のこの考えは理解されないのかもしれない。だけど、この世界でできた知り合いを守りたい。大切だから。出来るなら何があっても守りたい。でも私の力は小さくて無力だ。でもきっと同じ考えの人もいるはずだもの。たくさんプレイヤーがいるからね。だからきっと守ってくれる。私と違うやり方で。
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「お姉ちゃん、こっちだよ」
「うん!・・・それにしてもこのあたりの魔獣は結構強いね」
「始まりの町の周辺のエリアで、ここは一番敵のレベルが高いんだ。それに気付かなかった何人もの初心者が犠牲になった場所なんだよ」
「へー・・・」
「まだレベル不足や狂化のこともあってプレイヤーが全然いないみたいだ」
「なるほど。・・・だからこんなに魔獣に遭遇するのかな」
「そうかもね。・・・≪ウォーターソード≫!」
さっきから頻繁にフォレストウルフと呼ばれるオオカミが襲撃してくる。
しかも大抵3~5匹の群れだ。
いくら二人とも攻撃力が高くても、こんなに来られたら疲れるよ・・・。
「よし、これでラストだ!」
「・・・・さすがに疲れたね。ちょっと休みたいかも」
「そうだね。でも目的地まであともう少しのはずなんだ。だけど・・・」
「うん?どうかしたの?」
「でも、結構近くまで来てるはずなのに何も見えないんだ」
「確かにそうだね。まだ距離はあるんでしょ?それに建物があるとは限らないし、地図の場所に行けば何か手がかりがあるんじゃないかな?」
「そうだね。魔獣に襲われないうちに早く移動しよう!」
そう言ってハナミズキが走って先に進む。
ふふ、かわいいなぁ。
でも、走ると危ないし、あんまり離れるとよくないから注意しないとね。
「ハナミズキ、あんまり遠くに行っちゃダ・・・メ・・・!?」
前を行くハナミズキの姿が消えた。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。
誤字報告、いつもありがとうございます。作者が不注意すぎて申し訳ないです。