side運営
初の第三者視点。
ちょっとおかしいところもあるかもしれません。
ばしばし教えてください。
<side運営>
「ん?」
何かに気づいた一人の男がある画面を注視する。
その画面に映っているのは二人の女の子。
ただ、そこに映っている景色は普通じゃなかった。
一面に広がる、白色。
「おお!これは、行くか!?行くのか?!」
「どうした?」
「何かあったのか?」
「もしかしたら、特殊クエスト行くかもしれん」
「まじ?」
たくさんの人に見守られながら、画面の中の二人の少女は話し続ける。
一人の女の子は、ピンクの髪を持つ可愛らしい女の子。
もう一人の女の子は、金色の髪を持つ女の子。・・・いや女神。
「いやぁ。まさか、このルートに行けるとはな」
「まだ、決まったわけじゃないだろ」
「いや、でもこの子のログ見てみろ。多分、クエスト受けるぞ」
「・・・まあ、確かにな」
彼女たちが話していることはゲームの未来に関わる重要な話。
そのことを知っているのは運営のみ。
まあ、知る由もないという方が正しいが。
「お、これは・・・」
「クエスト受注するかどうか表示がでたな」
「この段階で、神に接触できるやつがいると思わなかったなぁ」
「最低でも、第二の街かと思ってた」
「俺も」
「今のプレイヤーの態度的にな」
運営の男たちが話している間にもゲームの時間が進む。
運営はゲーム内の時間加速よりも少し早い場所で過ごしている。
少し早い方が、バグの修正とかに便利だからだ。
「お」
「いったぁ!」
「特殊クエスト、どうなることやら」
「あれだろ、住民とのつながりがないと激ムズなんだろ?」
「ああ、普段住民たちを軽んじてるやつには難しいな」
「まあ、そういうやつにはそもそもこのクエストは発生しないだろ」
「確かに」
わちゃわちゃしながら画面を見続ける男たち。
仕事しろ、仕事。
誰も注意することがない現場は収まらない・・・。
「おいこら、お前ら。何してんだ?」
「げえ、主任!」
騒ぎまくっていた、男たちのもとに主任と呼ばれた男が現れる。
「げえ、とはなんだ。げえとは」
「主任、会議は?」
「もう終わった」
「「「お疲れ様でーす」」」
「・・・で、何騒いでんだ?」
「あ、いや。その、ワールドクエストの件なんですけど」
「ああ」
「特殊クエストが発生しまして」
「マジで?」
「マジです」
「で、どうなったんだ?」
「発生させたプレイヤーは受けました」
「ほう。・・・そのプレイヤーはどいつだ?」
「この子です」
主任が画面に映されたプレイヤーを確認する。
画面を見た主任は、にやりと笑った。
そのことに気づかない男たちは会話を始める。
「でも、このクエストが成功するとは思えないんだよな」
「ヒントがほぼねえし、少ないヒントもなかなか見つけられないしな」
「見つけても上手くいくとは思えないし。全部のヒントがないと難しいと思う」
「ああ、しかもヒントはほぼ図書館の奥深く。普通のプレイヤーには無理だろ」
「できるなら、廃人とかか?それでも難しいだろ」
その会話を聞き、主任は嗤った。
それはそれは、悪そうに。
「さあ、それはどうだろうな」
「え。主任何か言いました?」
「いーや。・・・お前ら、遊んでないでそろそろ作業に戻れよ」
「「「「はい!」」」
主任は今まで見ていた画面から目を離し、他の画面を見る。
運営がゲームを監視する部屋にはたくさんの画面があり、いろいろな場所を移す。
ある画面に映っているのは、住民に手を挙げるプレイヤーの姿。
また、ある画面に映っているのは、住民に手を貸すプレイヤーの姿。
「さあて、これからどうなることやら。・・・頑張れよ、桜」
主任がそう呟いたことに気づいたものはいなかった。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。