アルさんとの会談
ちょっと間が空きましたね。
のんびり頑張ります。
<≪言語≫のレベルが上がりました>
本を閉じて棚に戻す。
・・・・狂ってしまった聖霊、か。
この話が本当なら、今魔獣が狂化している原因は聖霊が原因ってことだよね。
でも、封印されたって書いてあるのにどうして?
もしかして、封印が解けた・・・のかな。
でもなんで?自然に?人為的に?
ぐるぐると考えていたら、声を掛けられた。
「チェリーさん、そろそろ図書館は閉館しますよ」
「・・・リーナさん」
「どうかしましたか?」
「あの、この本って・・・」
「・・・あぁ、聖霊についての本ですね。この本がどうかしたのかしら?」
「リーナさんは最近魔獣の様子がおかしいって話知ってますか?」
「えぇ、確か、普段より魔獣が強くなっていて、狂化っていう状態異常にかかっているって聞いたわ」
「この本に、狂ってしまった聖霊は魔獣を狂化させるって書いてあるんです。だから、もしかして・・・」
「その話、本当なの!?早く皆にこのことを伝えないと・・・!って、あれ?確かその聖霊って封印されたんじゃなかったかしら」
「ええ、この本にもそう書いてあります」
「じゃあ、どうして・・・?」
「封印が解けたのかもしれません」
「まさか!?神々が封印を施したんですよ。自然に解けることなんてありません!」
「じゃあ、誰かが解いてしまったのかもしれません」
「そんな!?」
「とにかくこの情報をみんなに伝えませんか?もしかしたら力になれるかもしれませんし」
「そうね」
リーナさんが閉館作業を終えるまで待ち、そのまま冒険者ギルドに行く。
冒険者ギルドにはたくさん人がいて、ザワザワしていた。
順番待ちをしている間にちらっと聞こえた話はやっぱり狂化された魔獣についてだった。
そうしているうちに順番が回ってきた。
今回もアルさんの受付だ。
「こんばんは、アル」
「よう、久しぶりだな」
知り合いなのかな?
「今日はどうしたんだよ?わざわざギルドに来てよ」
「今日は情報提供に来たのよ」
「ほう?お前がか?町の外に出てないくせに」
「へぇ?狂化の状態異常について分かったことがあるから教えてあげようと思ったけど、やめようかしら?」
「なんだと!?それを早く言え!?」
随分と仲が良いんだなとか思ってたら、アルさんにギルドの奥に案内される。
大きな執務机がどんとおいてある部屋に通される。
ここ何の部屋なんだろう?
「よし、座れ。話を聞かせろ」
ソファーに座るように言われたので、リーナさんの隣りに座る。
このソファーすわり心地がいいなぁ。
「それが人にものを頼む態度なのかしら?」
「くっ、話しをお聞かせください」
「えぇ、いいわよ」
勝ち誇った笑みを浮かべたリーナさんが話したのはさっき図書館で話したこと。
最初は、はぁっ!?て感じだったアルさんも得意げだったリーナさんも真剣な顔してる。
というか、私っている意味あるかな?
二人の空気が怖いよ~、帰りたいよ~。
そんな私を置き去りに話はどんどん進んでいく。
「最近、国境付近で帝国兵を見たっていう話しを聞いたんだが・・・」
「なんですって!?帝国がどうして!?」
帝国って何だろう?
エマンダ帝国のこと?でもエマンダ帝国はもう滅びたって話だし、別の国だよね?
「俺が直接見たわけじゃねーからな。詳しいことは知らん。知らんが、もしかすると、異世界からの旅人の件かもしれん。あっちには異世界からの旅人は出現していないそうだからな」
「確かに・・・。私も同じ立場だったら、脅威になりえる存在かどうか確認するかもしれませんね」
「ああ。俺も多分そうするな。だが今回封印の森付近でも目撃情報があった。聞いたときは何とも思わなかったが・・・・。もしかすると・・・」
「帝国が封印を解いた可能性があるな、断定はできんが」
「そうね」
「封印の森に調査隊を送ろう。尤もたどり着けるかはわからんがな」
こうしてアルさんとの会談は終了した。
帰り際、アルさんにこの部屋って何の部屋なのか聞いたら
「ん?ああ、俺の執務室だよ」
「へ~、大きいですねぇ」
「当たり前だろ、ここのギルド長なんだからな」
「へ?でも受付で・・・」
「異世界からの旅人のおかげで、人手が足らないからな、俺も受け付けを手伝ってんだ」
今日、一番驚いた話だった。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。
コロナウイルスが大変ですね。
私の身近な人には感染者がいませんが、やっぱり怖いですね。
噂が錯綜しまくり真実はどこにあるのでしょうか?
皆さん、体にお気をつけて。
手洗い、うがいが大切です。あと、家に引きこもることもです。




