表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eternal World Online ~のんびりVRMMO日誌~   作者: はらみ
第三章 「うさぎパニック」
157/162

トランプ兵


目の前の光景を説明しよう。

『トランプの形をした何かが現在進行形で森にペンキで色を塗っている』

うーん、さっきわたしが冗談で言ったことが当たってて、思わずヴァイスさんの顔を見る。

ホゲーって口を開けてた。珍しい顔だ…。思わずガン見しちゃった。



『早く塗れ〜!!』


『全部全部、紫に!』


『早くしないと、女王様がかんかんだー!!』



トランプ、女王、白兎、それからお茶会の帽子。わかりにくい要素もあったけど、全部不思議の国のアリスの登場人物だな。

トランプ兵らしきものが、森にペンキを塗りたくってるのを見守りながらそんなことを考える。



「あの派手な色はペンキだったのか…」


「あのバカみたいな仮説が当たったな」


「バカってなんだよ」


「まあまあ二人とも…」



トランプ兵たちに気づかれないように、こそこそと影で話す。

私だってまさかこの紫色がペンキだって思わなかったし、バカみたいな仮説って言ったらそうなんだけどね。確か、不思議の国のアリスの話しの中にバラをペンキで塗って色を付けるってシーンがあったしそこからきてるのかな。



「にしてもトランプに顔と手足が生えて動いてるって実際に見ると違和感が…」


「そうだね。なんか…ペラいね」



だってトランプだもの。紙だもの。

ペラくて当然なんだろうけどさ。

というか女王様ってハートの女王様かな。いよいよ近くなってきた城を見上げる。

きっとあそこにハートの女王様がいる。どんな感じなんだろう。

ちょっとドキドキしてきた。『オフウィズユアヘッド』とか言われちゃうかな。

あの女王様って首切れ首切れって何かあるたびに言ってたような気がするんだけど。

現実に居たら話通じなくて怖そうだな。



「あれは敵かな」


「どうなんだろうな」


「俺たちがアリスの立ち位置だとして、ハートの女王は敵だと思うんだ」


「その手下であるトランプ兵は、敵である可能性が高いわね」


「そっかぁ」



お話してみたかったし、ちょっと持ち上げてみたかったな。

不思議だから気になるよね。どのくらい重いのかとか、感触とかね。

敵対MOBだとさすがに無理だな。



「とりあえず、どうやってここを切り抜けるかだな」


「結構数いるわね」


「どのくらい強いかも分からないし、戦闘は避けるに越したことはないね」


「そうだよね」


「ちょっと遠回りしていこうか」


「だな」



方針も決まって踏み出したとき、ぱきっと音が鳴った。

結構いい音がしたし、響いた。

音のしたほうをみたら、固まったガンテツさんがいた。足元には折れた枝。

ああ、踏んだんだな。そう思うと同時に振り返る。

トランプ兵と目が合った。



『人間だー!!!』


『敵だー!!』


「この馬鹿!」


「悪かったって」



ハナミズキがガンテツさんを殴るのを横目に見ながら警戒する。

敵認定されちゃったし、槍を向けられたから。

ガンテツさんはちょっとおまぬけだったけど、見つかっちゃったら仕方ないもの。

何とかするしかない。

紙だから火が効きそうな気がする。けど、攻撃していいものか。

数は向こうが多い。軽率に攻撃して敵に囲まれて全滅なんて終わりは嫌だ。

敵とにらみ合いをしていたのは果たして数分か、それとも数十秒か。

どちらにせよ、先に動いたのはトランプ兵だった。



『敵は多数!合体するぞ~!』


「「「「お~!」」」」


え、合体!?

読んでいただきありがとうございます。

これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。

よろしくお願いします。


10/12


明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします!

のんびり書いていくのでお付き合いいただけると嬉しいです。

書き納めをしようとしたら、終わらなくて書初めになっちゃいました!

しかも書きたいところまでいかないという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ