紫色の森
あ、あー。てすてす。
こちらチェリー。こちらチェリー。
現在紫色の森を進行中。どうぞー。
…なーんて、冗談は程々にして。
お城を目指すことにした後、どの森を経由するかちょっぴり揉めたけど、結局紫色の森を経由することになった。紫色か黄色のどちらの森にするかを話し合った。目がチカチカしなさそうだからという理由で紫色に。紫色の森の方は不気味な感じがしたから私は黄色派だったけどね。
「それにしても毒々しい森だな…」
「そうね。草も花も木も全部紫色。地面も紫色」
「どうやったらこんな風になるんだろうな」
ここまで紫色だと毒の森みたいに見えるけど、≪鑑定≫しても有毒植物は少ない。
変な色のキノコとかはさすがに毒だったな。現実でもキノコとかは専門家じゃないと見分けるのが難しいっていうし、キノコは知識を得てから手を出そうと思う。目指せキノコマイスター。
…そういえば外国では毒のイメージは緑なんだっけ。もしかしたら。普通の森っぽかった緑色の森の方が毒だったのかも。
「まさか…染めたのかな」
「んなわけないだろ」
「だよね…」
私もバカな考えだとは思った。でもここまで紫だと、誰かがペンキでも塗ったみたいだなって。
「もしかしたら、土が原因かもしれないね」
「え?どうしてヴァイスさん?」
「だって土が紫色だからね。なんらかの成分が含まれていて、植物が吸収して紫に染まったんじゃないかなって」
「なるほど!」
白いバラをカラフルに染めるあの実験みたいな感じか!
色水に白いバラを入れると吸収してバラはその色に染まる。その原理でこの森が紫色になったって考えるのが自然かも。
「ていうか、全然白兎居ないわね」
「捕り尽くされちゃったみたいだね」
カリンさんやハナミズキが言うように、かなり紫色の森を歩いてるけど、白兎を見かけない。
既に捕り尽くされた後か…。プレイヤーも今のところ会ってないけど、これはプレイヤーとの交戦を視野に入れておかないといけなくなってきたな。
「ん?なんだあれ?」
「どうかしたの?」
「いや、あそこ。なんかあるだろ」
ガンテツさんが指差した先には、森の中にぽっかりと開けた空間が広がっていた。
開けた空間には大きな机が一つあり、それを囲むように幾つもの椅子が置かれていた。
どの椅子も同じものがなくて、カラフルなもの、動物を模したもの、パッチワークのソファーとか色々あった。
「あれは一体何…?」
「ちょ、お姉ちゃん!?」
思わず近づいてみる。
よくないことなのはわかってる。でも好奇心が止まらない。…危ない感じもしないし。
それになんだか…
「わぁ…!!」
近づいてみたらやっぱりそうだった。
そう、ここは。
「お茶会だ!」
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。
よろしくお願いします。
7/11
もっとペースと中身の質を上げたい今日この頃。
〈公式イベント設定〉
森の色は虹の色と関係している。
そのカラフルな色は土の成分から…?それとも…。




