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Eternal World Online ~のんびりVRMMO日誌~   作者: はらみ
第二章 「仲直りのカモミールティー」
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勇気を出して

これからのお話はもしかしたら、「うわ作者、ないわぁ」となるかもしれません。

もしそうなりましたら、無言でページを戻ってみなかったことにしてくださいね。


リティアさんの後についていった先には小さなお店があった。

家じゃなくてお店?暗いから看板の文字は見えないけど、瓶とかお花とかが彫られてるのは見えたからここは薬屋かな。



「どうぞ、入ってください」


「お、おじゃまします」



人がいないみたいで、お店の中は真っ暗だった。

な、何も見えない。下手に動いて物にぶつかって壊したら怖い。

明かりがつくまで待とうかな。



「ちょっと待ってくださいね。今、明かりをつけますから」



ごそごそとリティアさんが、何かをしている音が聞こえる。

こういう時、何もできないからもどかしいなあ。



「えっと・・・。あ、ついた」



ぱっと部屋が明るくなる。急に明るくなったからまぶしくて目を瞑る。

これは、あの名言をいうときでは?目がぁ、目がぁ・・・!っていうやつ。

そういえば、あの人の名言で文法が学べるっていうのをSNSで見つけた時は笑ったなあ。

受験で文法は必要だからね。勉強は、身の回りにある題材で考えるとわかりやすくていいよね。



「お待たせしました。ご飯、食べましょうか」


「はい」


「ここのご飯、おいしいんですよね~」



帰りに酒場に寄って買ったご飯を並べる。確かにどれもおいしそう。

ふわっと食欲をそそる匂いが広がる。ニンニクみたいな匂いがしておなかが鳴る。



「あ・・・」


「ふふ、まずは食べましょうか」


「そうですね・・・。いただきます」



目についたものを口に入れる。ニンニクみたいな匂いのするやつ。

何かのお肉のステーキだった。食感としては鶏もも肉かな。

ふっくらしてぷりぷりでおいしい。噛んだ瞬間にお肉の油が口にあふれ出るのもよき。

家でやくと生焼けが怖くて、しっかり焼いちゃうんだよね。だからなかなかぷりぷりにできないのが悔しい。そして皮がパリパリでおいしい。私、鶏の皮が一番好き。食べ過ぎると太るって分かってるけど、食べたくなる。皮だけを食べたいくらい好き。



「このお肉おいしいですよね。私、お肉の中ではこのお肉が一番好きなんですよ」


「そうなんですね。私も好きです!なんていうお肉ですか?」


「アストリクチキンです。鳥のお肉はいろいろ種類があるんですが、このお肉は特に油がのっていて美味しいんです」



名前が呪文みたいに長くないから、今回のお肉は覚えられそう。

お肉の名前が呪文みたいでなかなか覚えられないし、想像しにくいことを言ったら慣れですよって言われた。お肉に囲まれて生きてきたら、産地とかも指定するらしい。

紅茶が産地によって味が違うみたいなのと同じことかな。

お肉についていろいろ聞いていたら、あっという間に食べ終わってしまった。

机の下で手を握りしめる。ちゃんと自分の口で言わないと。



「あの、リティアさん。私・・・」



神殿の近くで聞いた話。

宿屋で聞いてしまった話。

私が思ってること、全部全部伝えた。上手くは言えなかったけど、それでも言えた。



「リティアさんのいないところで聞いてしまって、すみません。私、どうしたらいいか分からなくて・・・」



私の話を聞いたリティアさんは黙り込んだ。

・・・ああ。私、嫌われちゃったなあ。せっかく仲良くなれたのに。

話さないで、心に留めておくのが良かったのかな。

涙が溢れそう。弱い自分を隠したくて俯く。




「チェリーさん」


「・・・はい」


「話してくれてありがとうございます」



その言葉に顔を上げる。

・・・どうしてそんな優しい顔をしてるんですか。

私、傷つけてしまうような話をしたのに。どうして、私を優しい目で見てくれるの?



「チェリーさんは優しいですね。話してもらえて嬉しいです」



その言葉に、こらえていた涙があふれる。

リティアさん、ごめんなさい。あの時、話を止められなくてごめんなさい。

リティアさんの知らないところで話を聞いてしまってごめんなさい。泣きながら謝る私の背をなでるリティアさんの手があたたかくて、さらに涙があふれてくる。

あまりにも止まらない涙にリティアさんが慌ててる姿に泣いてるのに笑ってしまった。

そんな私をみてリティアさんも笑う。そしていつの間にか涙が止まって、リティアさんと二人で笑っていた。

読んでいただきありがとうございます。

これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。

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