表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eternal World Online ~のんびりVRMMO日誌~   作者: はらみ
第二章 「仲直りのカモミールティー」
118/162

格別においしいパン


カリンさんと一緒に街ぶらりを再開する。

でも、さっきの重たい空気は変えられず、お互いに黙ったまま。

雄弁は銀沈黙は金っていうけど、この沈黙はちょっぴりつらいです。

穢れた闇、薄れたルナリス様への信仰心、それから「あんなこと」。

どれも初めて知る話で気になることばかりだった。

なんかどれもこれもにもやもやして、すっきりとしない。絡まってしまった糸がほどけないみたいだった。



「・・・」


「・・・えい」


「ふえあ!?」



考え込んでいたら、ふいに眉間をツンってされた。

顔を上げると、にししと笑うカリンさんがいた。



「難しいことばっかり考えずに楽しいことを考えよう?今はまだ情報が足りないから、何もわからない。それでいいんじゃない?」


「・・・そうですね!」



何も考えないのが、決して悪いわけではないよね。

それに、私たちはこの街に来たばかりなんだもん。知らないことが多くて当たり前だよ。

大事なことを見逃さずないようにすればいい。そのために情報収集もしていかないとね。



「おっと、もう日が暮れてきたね。そろそろ宿屋に戻ろうか。晩御飯食べ損ねちゃあいやだからね」


「はい!」



パチンとウインクするカリンさんに元気よく返事を返す。

宿屋に向かって歩きながら沢山食べ歩きした事の話をしたら、よく食べるねって驚かれてしまった。太らないからいいんですよぉと返しながらのんびり歩く。カリンさんとの話はとても楽しくて弾んだ。

ああ、平和だなあ。この時間がもっと続いてほしいなあ。そんなことを考えてたら宿屋についてしまった。



「女将さん、晩御飯二人分ください!」


「あいよ。あいてる席に座ってちょっと待っててくれよ」



宿屋に着くころには外は真っ暗になっていた。宿屋の食堂には仕事終わりの人たちが沢山いて、お酒を飲んでる人もいた。この世界で生きているんだなって感じる光景だなとなんとなく思った。



「晩御飯、楽しみだね」


「はい!とってもいい匂いがします!」


「良く入るね・・・」


「えへへ」


「はいよ!おまちどうさま!」



リライトなんちゃらのシチューらしい。

また覚えれなかった。なんでこう、ややこしい名前をしてるんだろう。しかも長い。

兎とか熊とかそういうのでいいじゃんって思ってしまう。いや、もしかしたら実物は兎なのかもしれないけど。



「おいしい!」


「パンもふわふわでおいしいです!」


「シチューに合うね」


「いくらでも食べられちゃいます」



一緒に来たパンをぺろりと食べきってしまった。それぐらい美味しいパンだった。

毎日でも食べたいくらいおいしい。これは絶対に飽きない。

お代わりしたい。でも、さすがにおかわりしちゃったらドン引きされそう。



「女将さん、パンのおかわりってできる?」


「できるよ。ちょっと待っててね」



お代わりするくらいカリンさんもこのパン気に入ったんだ。私とカリンさんの味覚が似てるってことか。美味しいを共感できるのって嬉しいよね。



「おかわり頼んじゃったけど、ちょっと多いかもしれないんだ」


「え?」


「良かったら半分こしない?」


「っ!します!」



もしかして気づいてたのかな。

私がパンをおかわりしたいって。・・・やっぱりカリンさんいい人だなあ。

好きの気持ちがどんどん大きくなってく。

カリンさんに出会えてよかった。


読んでいただきありがとうございます。

のんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ