美男美女に弱い私
リティアさんがお勧めしてくれたカフェのご飯はとても美味しかった。
全然聞いたことないお肉が使われてた。名前長すぎて覚えられなかったんだよね。
リルティアなんちゃらなんちゃら・・・。ほぼ覚えれてないね。また来た時にメモしよ。
「そういえば、リティアさんはなんで私に声をかけてくれたんですか?」
受付って沢山の人に出会う職業だから名前覚えてもらえた上に声をかけてもらえるとは思わなかった。それに冒険者ギルドには一回しか行ってない。
声をかけてもらえる理由がよくわからない。まあ、確かにピンクの髪っていうのは現実だとすごく目立つけど、こっちの世界だと結構いるし、なんならもっとすごい髪色の人だっている。それに他に覚えられる要素ってないと思うんだよね。
「ふふふ、なぜでしょうか」
「気になります」
「それはですね。あなたと私が仲間だからです」
「仲間・・・?」
今を合わせてまだ二回しか会ってないのに仲間?
というか何の仲間?さっぱりわからない。
リティアさんはにこにこ笑ってるけど、全くわからないので答えを教えてほしい。
困惑していたらリティアさんがずいっと私に体を近づける。
ひょえ・・・。美人さんの顔が近いですとってもいい匂いですここは天国ですか天国ですね天国でした
「チェリーさんって、シャイン様の寵愛もちでしょう?」
「へ?」
近づいた距離に混乱していたら耳元でそっとささやかれて頭が真っ白になる。
今、リティアさんなんて言った?
しゃいんさまのちょうあいもち。
シャイン様の寵愛餅。あ、寵愛もちか。
え、なんでばれたの?目立つの嫌だし、身体的に特徴に出るわけではないから隠してたのに。
「私も同じなんですよ、チェリーさん」
「え」
仲間だって言ったでしょう?と笑うリティアさん。
同じ神様の加護を持ってると分かるものなのかな。でも全く何も感じなかったよ?
ビビビッとも来なかったし・・・。
「私、昔から勘が良くてですね・・・。チェリーさんと初めて会った時に仲間だって思ったんです。だから、話してみたいなって思ったんです」
「そうなんですね」
「チェリーさん、もしよかったらこれからも仲良くしてもらえませんか?」
「わ、私でよければ喜んで・・・!」
リティアさんは握手を交わすとふわりと笑った。
その顔は反則です。顔に力を入れないとふにゃあってなりそう。
頑張れ私の表情筋。ここで顔をだらしなくさせたら、せっかくできた友達がドン引きする。
それだけは嫌。ほっぺたがぴくぴくしてる気がする。
「チェリーさん?大丈夫ですか?」
「ダイジョブです」
「でも、なんだか様子が・・・」
「姉さん?」
顔に力を入れていたら男の人の声が聞こえた。
姉さん?確かに私がお姉ちゃんではあるけど、この声はハナミズキのものではないし。
私に知らない弟がいたとか・・・?それはないか。
てことは・・・
「ラクト!」
「姉さん、どうしてここに?仕事は?」
「今はお昼休憩なのよ」
「そう・・・。その人は?」
「チェリーさん。さっきお友達になったのよ。・・・チェリーさん、この子は私の弟のラクトです」
「ラクトです」
「あ、チェリーです。よろしくお願いします」
イケメンの無表情怖い。なんかじっと見られてる。膝の上にいた、セレネとヒスイを思わず抱きしめる。というかラクトさんが来てから視線が痛いです。チクチク刺さるというか。
それになんかひそひそと話し声がする。これはあれか、嫉妬かな。
この美男美女に囲まれてる私に嫉妬してるんですな。
でも残念でした。この美味しい場所は譲りませんよ。
「姉さん、そろそろ戻ったほうがいいんじゃない?」
「え?・・・本当だ、もうこんな時間。・・・チェリーさん、私はそろそろギルドに戻りますね」
「あ、はい。リティアさん、今日はありがとうございます。美味しいお店に連れてきてもらえてうれしかったです」
「んふふ。私もチェリーさんとご飯を食べれて楽しかったです。・・・では、またギルドで」
「はい」
店を出る二人を見送る。美男美女に囲まれてとっても幸せだった。眼福眼福。
さて、私もそろそろ出ようかな。
会計に行くと、店員さんにじっと見られる。私の顔に何かついてたのかな。
顔をぬぐってみるけど、何ともない。気のせいだったのかな。
さて、日が暮れるまで街を探検するぞー!
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。




