アップデート
お弁当を食べ終わってゴロゴロだらだら過ごす、お昼。
なんて贅沢なんだろう。現実だったら太るね、間違いなく。
「そういえば、お前らは明日のアップデートの確認はしたか?」
「うん」
「大きな事は・・・」
「全部読んだよ」
そうなのだ。実は、明日の午前九時からアップデートが行われることになっている。
一応、午後の三時までには終わる予定ではあるけど。
ただ明日は日曜日なのだ。プレイヤーからは文句が出たらしいけど、結局日にちが変わることはなかった。
お仕事が忙しい人たちにとっては、日曜にするしかないものね。
でも、私は、一日ベッドでゴロゴロする休日にならなくなって良かったって思うことにしてる。何事もポジティブに考えないとね。今は練習中なの。
「やっぱり第二の街の解放は大きいよね」
「どんな所だろうな」
「始まりの街よりも大きいのかな」
今回のアップデートでは大きく3つの要素が追加された
一つ目は、第二の街の開放。これが一番大きな要素。第二の街の情報はまだ何も公開されていないから、すごく気になるところ。そして、第二の街はエリアボスとは違う、門番と呼ばれるボス魔獣を倒さないといけない。これが街を開放するということになるそうだ。
二つ目は、ログアウトする場所についてだ。今までは、きちんと宿屋に行かないといけなかったが、どこでもログアウトできるようになった。体が残るわけではないから、いつでもどこでもログアウトというのができるのだ。だけど、戦闘エリアでログアウトして次にログインしたときに目の前に魔獣がいるという状況になることもあるらしいから気を付けないといけない。それに、天気が急に変わって、ログインしたら雨が降っていた・・・という可能性もある。このゲームは、傘もささずに雨に降られると一定確率で風邪を引くのだ。なるべく、屋内でログアウトしろって事だね。
三つ目は、私たちにはあまり関係のないことだったんだけど、結構衝撃が走ったこと。それは、リセマラ対策。今まで良い種族を当てるために、アカウントを作っては消し、作っては消し・・・を繰り返し、プレイをしない人が少なくない数いたらしい。運営としては、せっかく買ったのだから、遊んでほしい。だから、アカウントを作り直すのを有料にするらしい。初回の作り直しは無料。二回目から有料。そして、回数を重ねるごとに金額がものすごい額釣りあげられていくのだ。お金を出したからと言って、いい種族が出るわけじゃないしね。それに、脳波で判別するみたいだから、新しいものを用意しても無駄になる。これだけじゃあ、満足な対応になるかはわからないけど、ましになると思う。
「今回のアップデート、パッチノートが出たらしっかり確認しろよ」
「もちろん」
「わかりました」
「はーい」
「武器の耐久力と消耗品の確認もしっかりな」
「「「はぁい」」」
実は、アップデートが終わったら、この四人で第二の街を開放しに行くのだ。
ガンテツさんがしっかりしてくれてるので、うちのパーティーは大丈夫そうです。
「そういえば、ヴァイスさん。ヴァイスさんのパーティーって・・・?」
「実はあの後、解散しちゃったんだよね」
「え・・・」
「円満に解散したから大丈夫だよ。喧嘩とかじゃないから安心して」
ヴァイスさんと一緒のパーティーを組めるのは嬉しい。
けど、なんかちょっと私のせいじゃないかと思ってしまう。
ワールドクエストの時、一緒にパーティーを組んでもらったから・・・。
「パーティーが解散したのはね、その、なんというか、職業のバランスがあってなかったからなんだ」
「職業の?」
「もともと、野良で組んだパーティーでそのままやっていただけだからね。かなりバランスが悪くて、そろそろ解散しようかなという所だったんだ」
「なるほど・・・」
「だから、チェリーのせいではないからね」
「・・・ばれてましたか」
「顔に出てたよ」
そんなに顔に出るのか、私は。
もっとポーカーフェイスを身につけなくては。
お姉ちゃんだものね。
ほっぺをムニムニ触って、きりっとした顔を作っていたのをみんなが生温かい目線で見ていたことに私は気づかなかった・・・。
そのあと、私たちは少しお話しした後にログアウトした。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。
よろしくお願いします。




