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BLUE・STORY  作者: 森田しょう
◆2部:真実への旅路
17/149

14章:大海原への旅路 蒼い境界線の向こうへ

 

 目が覚めたときには、朝……というより、昼前の陽気を感じた。この宿は住宅街の中ほどにあるため、日当たりが非常に悪い。窓から陽光は差し込まず、部屋の中は日中だというのにほんのりと暗い。

 部屋を見渡すと、すでに二人の姿はない。さらには荷物もない。


 ……置いていきやがったな!!


 ということは、もう集合時間なのか!? 港に行ってレンドの船に乗せてもらわなきゃなんねぇのに!

 つか、なんだって他の二人は起こしてくんないんだよ!? 僕は布団から飛び降り、右手にあの剣を握って出口へ向かった。その時、テーブルに置いてあるメモに目が行った。


「何度起こしても、起きないので、置いて行きま〜す。太陽が真上に来る前に港に来なかったら、船を出します! …ヴァルバ」


 あんのやろ〜……。ぜってぇ昨日のことを根に持ってやがるな……。

 と、ふとその文章の下にあるもう一つの文章に気が付いた。


「…ヴァルバさんのは嘘なので、気にしないでください。もし、お昼になっても来なかったら迎えに行きますから、安心してください。…アンナ」


 …なんだよ、少し慌てて損したな。つか……ちと考えればわかることかもしんないな。ヴァルバはともかく、アンナはそういうことをしないだろうし。…まぁ、嘘には付き合ってしまうような質ではあるな。どこか抜けていて、どこか真面目…みたいな。

 僕は大きくため息を漏らし、港へ向かった。港へ行く道は、商人や荷物運びの人たちが大勢、忙しく歩いている。そのせいで、歩くことさえままならない。なんとか掻き分けて、港に着いた。

 街道の中にそびえ立つ、白い塔みたいな建物が視界から消え、代わりに巨大な船たちが姿を現した。

 僕は、その光景に息を呑んだ。昨日、夕方に見たときはこんな大きな船なんてなかった。それに数も多い。あまり貿易船だとか、そういうのには詳しくないからわかんないけど、荷運びだとかいろいろあんだろう。

 港の船着場の近くに、ヴァルバたちが立っていた。アンナが僕に気付き、向こうから手を振り始めた。そのアンナの行動に、ヴァルバとレンドも僕に気付いた。よく見ると、ヴァルバの隣にはリサが立っていた。ここから見ると、リサは案外小さいように思える。それでも、女性としては高い部類であろう。リサとアンナを比べたら、子供と大人みたいに見えてしまうんだよな。

「間に合ったな」

 嫌味のニュアンスを含めて、ヴァルバが言った。

「…あんな手紙にだまされるかっての」

「え? なんで嘘だってわかったんだ?」

 なんだよ、ヴァルバはアンナの手紙に気付いていなかったのか? とことんマヌケなやつだよ、ホント……。

「私が『ヴァルバさんのは嘘ですよ』って書いておいたんです」

 アンナは微笑みながら言った。

「なんだよ〜。せっかく、慌てふためくソラが見れると思ったのにさ」

「ハハハ、ソラもかわいそうに」

 レンドとヴァルバは同じように笑いやがった。レンドは、昨日とほぼ変わらない服装をしている。どこぞの海賊だ。今さら気づいたのだが……ヴァルバの左肩のあたりに、何かが刻まされている。緑色の紋章…? 海賊の証だろうか。刺青、みたいなもんかな。

「さて…やっとみんな揃ったね」

 リサが待っていたようにしゃべった。

「…これから、あんたたちが行く場所、理解してる?」

 僕は大きくうなずき、強い口調で言った。

「もちろん。ルテティアへ行き、『インドラ』のことについて、陛下に謁見することだろ?」

「そうだよ。へますんじゃないよ?」

 リサが僕の胸元に握った手を、トンっと、軽く押した。

「ま、リサの『根回し』がちゃんとしていれば、陛下に会うこともできるさ」

 ヴァルバがハハハと笑いながら言った。肌が茶色いので、白い歯がよりいっそう目立つ。

「たぶん、大丈夫だと思うんだけどね〜」

「…曖昧なのは嫌いだね」

 ヴァルバがそう言うと、みんなが笑った。


「それじゃ、私はこの船に乗ってシュレジエンに行くから」

 リサは、1番端に停泊している船を指して言った。見るからに、旅行船だ。いろいろな塗料が施されている。

「…旅行船かよ」

「ヴァルバ、なんか文句でも?」

「いや……お前だと、わざわざ遠回りなんじゃないのか?」

「そりゃそうだけど、あんまし使うなって言ったのはあんたじゃないの」

 リサが首をかしげながら言うと、ヴァルバは小さくため息をついた。

「ま……そうだな」

 どことなく、「やれやれ」という風にも見える。

「ここから、シュレジエンまではどのくらいかかるんですか?」

 アンナがリサに聞いた。

「たしか…20日くらいかな? よく知んないけど」

 けっこうかかるもんだな。飛行機があれば、1日もかからないと思った。そう考えると、『ガイア』って、便利なものが多いよな。車にしても新幹線にしても。

「ま、そのくらい船旅を楽しむさ。…おっと、そろそろ出航しそうだ。あんたたちとは、しばらくの間お別れだね」

 そう言いながら、顔はニヤついている。

「…ふん、途中で難破しなきゃいいけどな!」

 また、ヴァルバが嫌味を込めて、笑いながら言った。リサはヴァルバが言うなり、回し蹴りを横っ腹にぶつけた。

「ぶふっ!!」

 そして、ヴァルバはその場に腹を抱えながら、座り込んだ。も、悶絶……。その光景を見て、アンナが石になってしまった。

「な、なんつーことを……それでも女か!!」

 と、ヴァルバは言う。

「うっさいわねぇ。私の特技をぶち込むわよ?」

 と、リサは掌を広げて見せた。それを見たヴァルバは、目をそらして小さく、

「…ごめん」

 と言った。……リサって、怖いんだね。

「まぁあんたたちも、船旅に気をつけな」

「俺の操作する船だ。大丈夫に決まってるだろ」

 レンドが胸を張って言ってくれた。

「はは、それもそうだね。…じゃ、私は行くよ」

 リサはそう言うと、船のほうに歩き始めた。

「おい、リサ」

 僕は、リサを呼び止めた。どうしても、僕は彼女に聞きたいことがある。前から、ひっかかっていたことを。

「何?」

 リサは微笑んだ顔を向けた。昼間の太陽光を受けて、彼女の金色の長髪がキラキラと輝く。


「…あんた、一体何者なんだ?」


「……………」

 リサは顔色を変えず、僕を見つめている。1度まばたきをして、静かに口を開いた。

「…ルテティアに行けば、わかるよ」

「王都に…?」

「うん…。きっと、ね」

 適当なことを言っているようには見えないし、リサが嘘をつくとは思えない。本当はすぐにでも突き止めたいが、言わないということは、言いたくないんだと僕は解釈した。

「…わかった」

「まぁ、深く考えないことさ。んじゃ、またどこかでね〜」

 リサは僕たちに笑顔で手を振り、定期船に乗り込んで行った。


「何者、か…」

 ヴァルバは歩いて行くリサの後姿を、目を細くしながら眺めていた。

 ヴァルバに、リサ。

 謎だらけの二人。インドラのことを知らなかった分、まだヴァルバの方がわかりやすいが…。

「さて…俺たちも行くか?」

 ヴァルバが、首を左右に動かしながら僕たちに言った。

「そうだな。よし、俺の船に案内するよ」

 レンドがいつの間にか、少し離れたところに行っていて、そこから手招きをしていた。

 横にズラっと停泊している船の中で、ちょうど真ん中あたりに、レンドの船があった。それは、全体が焦げ茶色の木でできていて、中央から一本の長いマストがニョキッと空に伸びていた。ところどころに、文字が書かれているんだが、かなりの筆記体……とでもいうのか、少々見にくいためなんて書いてあるのかわからない。

 船の上には、5・6人くらいの人たちが、忙しく右に行ったり左に行ったりしている。たぶん、レンドの仲間なのだろう。

 レンドについて行き、港の真っ白な石の階段を登り、小さな橋を渡ると船上にたどり着いた。さっき、港から見えた仲間の人たちは僕たちに気付かず、動き回っている。みんな、レンドくらいの年なのだろうか、若いようだ。海賊ってあごひげが立派なイメージがあったのだが、実際はそうでもないかもしれない。

「おーい、野郎ども! お客さんのお出ましだぁ!」

 突然、レンドが叫んだ。その声に反応し、船上で忙しく動いていた男たちが、いっせいに僕たちの顔を見た。「なんだ、なんだ?」という、驚きの顔をしている。

「今回の船旅に、この3人のお客さんが参加することになった!」

「なんだ、女の子もか?」

 大きな荷物を軽々と担いでいる、肌黒の男が言った。緑色っぽい髪の毛で、白いターバンを巻いている。レンドとは違って黒い長ズボンをはいているが、ガタイはそれと同等ときたもんだ。

「大丈夫だって、デルゲン」

「まったく……」

 デルゲンという人は、レンドの笑顔を見て呆れていた。

「むさ苦しいところだが、我慢してくれよな」

 突然、デルゲンは僕たちに向かって言った。

「むさ苦しいのは、お前だろうに……」

「船長さんには言われたくないがね」

「なんだとぉ!?」

「ハハハ、冗談だよ」

 デルゲンはレンドを軽くあしらって、船の内部に通じる階段を下りて行った。

「ったく、あの野郎……。あっ、紹介すんの忘れてた。なんで逃げて行くんだ? あいつ」

 レンドが呆れたような口調で言った。すると、ほかの男たちがニヤニヤしながら、レンドに言った。

「デルゲンのやつ、女の子がいたもんで恥ずかしいんだよ。だから、逃げて行ったんだ」

 そう男が言うと、レンドが大笑いした。

「ハッハッハ、なるほどなぁ。まぁ、あいつには後で紹介しとくか」

 レンドは僕たちのほうを向き、僕の肩に手を乗せた。

「こいつは、ソラ=ヴェルエスだ。まだ16歳だってよ」

 いきなり紹介された。なぜだか少し照れくさくて、頭を下げて「どうも」としか言えなかった。そして、レンドはアンナのほうに行き、おおらかな口調で言った。

「このかわいこちゃんは、アンナ=カティオ。なんと14歳!!」

「おおっ! いくらなんでも若すぎる!!」

 僕のときとは違い、男たちは歓声を上げた。なぜかこぶしを強く握り締めて、空に突き上げている。この光景に、アンナは驚きを隠せないようだ。

「それで、このひげ面がヴァルバ=ダレイオス。これでも25歳だ」

 どうして知らないが、レンドの声のトーンが低い。しかもアンナのときとは違い、男たちは「ふ〜ん」といった、薄い反応をした。そのせいで、ヴァルバはひどく不機嫌だった。…その気持ち、わかるぞ、ヴァルバ。

「じゃ、俺たちを紹介しよう。知ってると思うが、俺はレンド=ステカーノ。24歳になる。改めてよろしく」

 レンドは丁寧に頭を下げながら言った。そして、スタスタと1人の男のほうのところに歩き、肩に手を回して紹介を始めた。

「それで、このバカ面の男が、ルシファン。まだ18歳だ。ルーシーって言ってやってくれ」

「馬鹿は余計だ!」

 冗談だよとレンドは言いつつ、大笑いしていた。

「で、この大きい男が、ジョナサン。俺と同じ24歳だ」

 た、たしかに大きい。見るからに、2メートルはあろう巨人だ。自分は背が高い方だと思っていたが……いやはや、人間ってのはここまででかくなるもんなんだな。

「それで、こいつは俺の従弟、ロルグ。アンナと同じ、14歳。んで、こいつがサンガ。21歳だ」

 そのほか、いろいろな人が紹介されたが、人が多すぎて、僕は覚えることができなかった。


「紹介が終わったところで、みんな、よろしくな」

 そうレンドが言うと、仲間のみんなは声をそろえて「よろしく」と言った。彼らの豪快さたっぷりの元気さは、なぜか僕にも浸透してきそうだった。元気ってのは、誰かに伝わるものなのかもしれない。

「おっと、さっき下に逃げて行った男は俺の幼馴染、デルゲン=フォレスト。女が苦手な田舎者さ」

 レンドは腰に手を当てて、笑って言った。幼馴染か。なんとなく、親しい感じがしたからな。


 みんなの紹介が終わると、僕たちは船内に案内された。さっき、デルゲンと言うレンドの幼馴染が下りて行った場所から船内に入れる。

 船内は思ったより広く、今のような空間の中央に大きなテーブルがあり、仲間と談笑したり、飯を食ったりする場所のようだ。左右の壁に3つずつ、ドアが付いてあった。

 奥の壁には、一つの地図があった。どうやら、2大陸の地図のようだ。初めて2大陸の形というのを見たのだが……へぇ、こんな形なんだ。ロンバルディア大陸の最西端、つまりミレトスがあった場所というのは、大陸の南西部にあたるようだ。ロンバルディア大陸はまるで「人」という字みたいで、アルカディア大陸も「入」という字っぽいな。

 リサの向うシュレジエンというのは、ロンバルディアの北北西のあたりにある、いくつかの島々のようだ。

「俺はシュレジエン出身でさ」

 地図を眺めていると、いつの間にかレンドが隣に立っていた。

「へぇ……そうだったんだ。やっぱ寒いの?」

「べらぼうに」

 レンドはお手上げをした。


 船長室には棚にきれいに並べてある酒、無造作に転がる樽。いろいろな地域で手に入れたのであろう黄金の杯や、動物の牙、どこかの騎士のヨロイ、見たことも無い物がたくさん置いてあった。どれも僕の興味を惹くには、十分であった。

「これ…全部、レンドが取ったものなのか?」

 僕は興奮気味で言った。

「ああ。けど、盗んだものじゃないぞ。これらは、悪さをする他の海賊たちからぶんどった物を領主に返還して、その代わりとしてもらったものなんだ」

「この動物の牙も?」

 アンナが指を指して言った。それは、1メートル50センチほどもある、巨大な牙だった。白いが、黄色いところもたくさんある。

「これは、アルカディア諸島の北にある小さな島に住み着いてたセイウチ……かなんかのものだったけな」

 セイウチがそのでっかい牙で漁にやってきた船とかに悪さするもんで、シュレジエンの女王様から依頼され、退治したのだとか。セイウチって、悪さするような動物だったけ?

「あん時はデルゲンがいなかったら、俺たちやられていたからな」

 ヘヘっとレンドは苦笑し、当時を振り返っていた。

「俺や他の仲間たちが寒さで動きが鈍いのに、あいつだけなぜか知らないけど、動きが機敏だったんだよな〜」

 レンドは当時のデルゲンの動きを表しているのか、槍を振るうような動作をした。

「最後に息の根を止めたのも、デルゲンだったからな」

 レンドが言うにはこの海賊船の中でデルゲンが1番、腕っ節が強いらしい。さっきのレンドの動作から察するに、槍の使い手なのだろう。


 その後レンドに案内され、寝室に行った。ここは3段ベットらしく、僕とヴァルバ、レンドがここで寝る。レンドがアンナのことを気遣って、自分の船長室のベットで寝泊りさせるらしい。ちょうどそのころ、ヴァルバが馬車を連れて来たらしい。馬にとって少し環境が悪いが、1番底に入られることになった。


「さて、そろそろ出発するか!」

 船上で、レンドが大きな声で言った。

「さあ、野郎ども! ルテティアへ向けて出発だ!」

「おー!!」

 みんなが声をそろえて大声を張り、それぞれ準備にかかった。その動きの早さに、なるほど、手馴れたものだと感心した。

 レンドは、海賊の証とも言えるハット帽子をかぶり、後ろの舵のところに行って、それを握った。

「碇を上げろ!!」

 デルゲンが叫び、サンガやジョナサンたちが綱引きをするかのように、いっせいに力を入れて碇を引き上げた。船を止めるほどの重さだから、引き上げるのも苦労するのではと思った。

「ちょうど風が出てきたな…」

 たしかに、碇が上げられたとたん、舟を押すかのように、柔らかな風が出てきた。まるで、「早く行け」と言わんばかりに。

「よっしゃ〜! 出発ーー!!」

 アンナと同い年でレンドの従弟だという、ロルグが大声を張り、みんながそろえて大声を上げた。

 船は徐々に前に進み、港から離れていく。海にさざなみが立ち、だんだん音が大きくなってきた。僕は船から頭を出し、ミレトスの町を見た。この位置から見るとギリギリ、街道を覗くことができる。

 どんどん勢いがついていき、後ろから押すようにしてやってくる風たちが、レンドの船を前に進ませる。

 僕は前の方に行き、前方の海を見る。そこには奥がどんよりとした青色が広がる、大海原だった。空には鴨が飛んでいて、真上から降り注ぐ太陽の光をちょくちょく遮ったりする。鴨の白い体と空の青は、ミレトスの街道から見た光景と同じだった。

 もう1度後ろを見てみると、いつの間にかミレトスの港は小さくなっていた。白い塔のような建物がところどころ突き出ているのが、ここならよくわかる。

 

 船旅。

 僕は生れてこのかた、一度しか乗ったことがない。小学生の頃、フェリーかなんかで学校の企画で行ったんだっけな。


 あの蒼い境界線の向こうへ…!




 目指すは王都ルテティア。

 そこにあるのは残酷な真実と……


 知りたくもない、己の闇。


 そのことを、この時はまだ知る由もない。





 




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