あとがき ~EPISODEⅢ~
以上でEPISODEⅢは終わりです。
書くことはないと思っていましたが……書けて本当によかったなと思います。
この話は「BLUE・STORY」と密接に関わっているので、彼らの願いが果たされるのかどうかは、既に載せてある通りです。
さて、簡単に各部の説明を(したいだけですが……)。
◆序章 「帝都動乱」
物語が始まる前の、帝国の事情話。外戚だの傀儡だの、モデルは後漢末期の頃だったりします。
天帝は既にお飾りの時代で、親政を始めようとしたのがユリウスとシリウスの父親・ジークフリート21世で、彼を面白く思わなかった異母弟・ガルザスは、帝位に就けなかった自身の父(ジークフリート20世)をけしかけ、暗殺させます。しかし、天帝の親政を許さなかったのは当時の有力な貴族議員たちで、ジークフリート20世も暗殺されます。そうした中で台頭したのが、グランディア家でした。
◆第一部「黒く塗りつぶされたお城」
天帝の一族として生まれたユリウスとシリウス。彼らは天帝宮のずっと奥で育てられ、外界との接点はほとんどないに等しいものでした。そんな二人の友人役としてあてがわれたのが、サリアとレナの姉妹と、バルザックでした。第一部では、五人の幼少期の話を詰め込んでいて、天帝の一族という枠組みを無くせば、普通の幼馴染たちでした。
◆第二部「戦場へと続く道」
ユリウスたちが地上に落とされてから、解放軍参加~イデア参加まで。
リタたちクイクルムの人たちとの様々なお話と、何でも屋をしている時の話も考えていました。初めて“魔法”を使役した時や、何でも屋として別の町へ行きゴロツキ退治をしたりなど。
◆第三部「渇望する闇の咆哮」
イデア編。第一次天地戦争終結まで。
仲間が増えていき、帝国と各地で戦う――など、構想上ではファイアーエムブレムのようなシミュレーションRPGみたいな感じでした。
結構すっ飛ばしていますが、シリウスはここで軍師としての才能を発揮していきます。
◆第四部「世界の終わりを望んで」
シリウス覚醒~第二次天地戦争開幕まで。
ここでリュングヴィとの対話など、本当はいろいろあったんですが端折ってます。
リュングヴィは完全なる調停者と同一化することを望んでいましたが、シリウスとユリウスはその資格を持ち得ていませんでした。
◆第五部「終わりのない旅路」
“ソティス”を結成し、帝国打倒へ――
希望で満ち溢れていた未来は、結局のところ、血で血を洗う戦乱に行き着く。
絶望したシリウスは、全てから逃げ出します。
それでもなお、ジュリアスと自分の子孫に“執行権”を託したのは、やはり世界のことを愛していたからに違いありません。
サリアやロスメルタとの邂逅を望みながらも、彼は己自身に資格がない――そう思い、後悔の念を抱きながら病没します。
今回の物語はハッピーエンドではなく、何もかも中途半端です。希望を持たせるために、EPISODEⅣで全てが紡がれるため――ではあるんですが、書いていてリタやユリウスたちが不憫すぎて、昔の自分もよくぞこういう話考えたなと反省しました。
リタが殺されるシーンは実は伏線というか大事なところで、EPISODEⅡにも通底していますが、それがなんなのかはEPISODEⅤで判明するようになっています。
その他……
◆アイン=ロロとガルザスについて
二人は幼馴染でした。というのも、アイン=ロロの父・オドアケル枢機卿は、ガルザスの父方の伯母と結婚しており、親戚になっていました。
彼らは文武双方に秀で、特に歴史に好奇心旺盛でした。その幼い好奇心で探求した結果、この世界の成り立ちを知ってしまいます(断片的ではありますが)。
ガルザスは成長していく中で腐敗する帝国だけでなく、世界そのものに飽きていき、自身が歴史そのものになることを望みました。最悪の独裁者として――帝国を終焉に導いた者として。
アイン=ロロは友人として……彼の最大の理解者として、それを手助けすることを約束しました。帝国の崩壊も何もかも、ガルザスとの計画の一端でした。彼はさらに、その過程で古の計画――“創世計画”を進めようとしました。
◆リリー=エバー
“星の遺産”とともに、物語の根幹そのもの。
“原初のヒト”――それは彼女のことと指しているとも言えます。
思ったより時間がかかりましたが、これで心置きなく「BLUE・STORYⅡ」に行ける……かなと思います(笑)
あのお話を書いてしまうと「BLUE・STORYⅢ」も結構ネタバレしてしまうんですが、展開上しょうがないよなぁ……と思っちゃっています。
しかし、何年かかるやらと思案するものの、こういうことが好きだから止めないんだなとも思います。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!
これからもよろしくお願いしますm(__)m
森田しょうでした。