★あとがき
こんにちは、森田しょうです。
以上で「BLUE・STORY―Episode4【紡ぎゆく約束の果て】」は完結です。ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
この作品は約8年ほど前から考えていたもので、作り始めたのは4年前です。そして、一応の完成に至ったのは去年の1月だったでしょうか。作ったということを忘れかけた頃、偶然にもこのサイトを知り、投稿することにしたわけです。
※完結したのは2008年です。
自分はどうしても、「少年・少女」という「ボーイ・ミーツ・ガール」ってのをやりたくて、たぶん、これから作っていく作品のほとんどがそういう風になるんじゃないのかなって思います。
ソラがリサと出逢って、そこからソラと空たちの見える世界が如実に変わり始めて、ソラは異世界へと旅立ち、リサと共に世界を護ろうとして。
少年が劇的(?)な出逢いをすることで、世界が変わっていくような作品を作り続けていきたいと思ってます。
そして、テーマの「約束」は全て見つけられましたでしょうか?
大まかなものが“彼”と“彼女たち”のものですが、たくさんあるので見つけてやってくださいね。
ソラと修哉、空とリサ。彼らといろんなキャラ達の物語が、「よかった」「面白かった」と思って頂ければ、これ以上ないです。
最後に……今までお付き合い頂き、ありがとうございました。ほんの数ヶ月でしたが、これからもこの作品を読んでくださればと思います。
修哉が言っていた『真実の夢』……それは、きっと人によって形が違うものです。それを見つけ、自分にとっての『次元の執行権』
を行使しましょう。
自分が自分らしくいるために、自分らしく愛し続けるための条件ですから。
では、またいつか。
以下、わかり辛いところ・以降の作品では説明のない部分を載せています。ep5・6では明かさないことについてです。
※コンセプトとか、いろんなことを長ったらしく書いております。
★ベオウルフが殺された理由
彼は修哉とは親戚(ベオの祖父と修哉の祖父は兄弟)にあたります。ベオウルフは幼い頃、帝都で何度かオルドヴァスやヴェリガンを見たことがありました。当時、過激派の筆頭であったヴェリガンは有名で、大きな派閥を作っていたため、ベオは兄のゼナン(後のベルセリオス7世)から「気をつけろ」といった話を聞かされていました。なぜなら、ゼナン皇子は穏健派であり、過激派とは対立していたから。
修哉はベオが、もしかしたらヴェリガンや自分の母のことをソラたちに言ってしまうのではないか――と危惧して、シュヴァルツ達に殺害を命令しました。もちろん、アヴァロン王家没落の折、既に母が自分を懐妊していたので、そのことも言われてしまっては、少々都合が悪いのです。
★調停者であったクロノスが時の呪縛を受けた理由
彼はたしかに調停者ではありましたが、彼は「既に起きてしまったことを変えた」のです。調停者には「未来を変える」という権利はありますが、「過去を変え、現実を変える」という権利はありません。そのため、彼は「何か」によって肉体だけ消滅し、精神だけの存在となって二万年も彷徨い続けていたのです。
★ソラが何度も聴く「会話」の人々
主にep2・3の人たちです。ユリウス、シリウス、レナ、サリア、アムナリア……等々。
★レグルスについて
二千年前にアヴァロン帝国を築き上げた人物で、2大陸統一を成し遂げました。彼はリサと同じラグナロク一族で、サリアの息子です。サリアはしばらくシリウスの帰りを待っていましたが、古くからの友人・バルザック卿(かつて、ガルザスと覇権争いをしていたオドアケル枢機卿の孫)の求愛に折れ、子を成します。直系は長女・フィリスで、二人目の子供であるレグルスは直系ではありません。彼の没後、すぐにアヴァロン帝国は崩壊し、彼の直系一族である皇室は滅ぼされますが、傍系が僅かに生き残り2大陸中に散らばり、それがアンナやシルヴィア王女のような巫女へと繋がっていきました。
★シリウス、ユリウス、サリア、レナ、アムナリアたちEPISODEⅢのキャラについて。
ここに元々、彼らのことを載せていましたが、本編をさらっと(と言いながら10万字以上ですが)載せておりますので、よろしければそちらを見ていただければ幸いです。
★ジュリアスについて
彼はユリウスとレナの子供で、後のソフィア2代教皇(厳密に言えば、初代教皇)。シリウスは兄を殺す際にレナを死なせてしまいます。そのこともあって、彼らの愛情の証であるジュリアスを傍に置き、自分の息子として育てていきます。自分は誰とも結婚せず、ジュリアスに後を託して独りでこの世を去ります。その後、ジュリアスはソフィア教を開き、義父であるシリウスを初代教皇として祀り、彼の本名「シリウス=アイオーン=ガイア=ヴェルエス」から取って、アイオーン1世としたのです。
ソフィア教国は当時、覇権を狙うアヴァロン帝国皇帝レグルスにとって邪魔はものでしかありませんでした。レグルスとは従兄弟同士にあたりますが、考え方は全く違っていたのです。レグルスは優れた人種による世界の統治を目指し、シリウスはこれ以上神の血族である自分たちが世界を混乱させてはならない、と考えていました。
レグルスを説き伏せることが出来ないと悟ったジュリアスは、レグルスと単独で戦い、倒すことに成功しますが自身も深手を負い、それがもとで亡くなってしまいます。
★アベル、イヴ、イヴズ、ロタール=フェイウス、ユリアについて
これは「BLUE・STORY」の中でも中核を成す人物たちです。これらはep5・6での大事なところなので、ここでは割愛します。
★リュングヴィがリサに対しての「穢れた女と聖なる女」と言うことについて
彼女の正体について言及しています。それは、ソラが空との別れ際に「星に愛されし少女と、星に惑わされし少女」というものに近いものです。これは「空とリサ」という解釈も可能ですが、本当はもっと別のところにあります。
★ヴェリガンはどうしてガイアを知っていたのか
彼は修哉が言っていたように、考古学の専門家にして、当時発展しつつあった次元学を研究していた人物でした。暁の門はティルナノグ期に造られたもので、それに関連した資料を手にしたのがきっかけです。それは、自分の義兄でもあるオディオンによるものでもありました。
★キャラについて……
①主人公・ソラ
結局は神の血筋――というものですが、感情的なところとか、正義感丸出しなところとか、基本的な主人公像というコンセプトのキャラです。EPISODEⅤの主人公・望やEPISODEⅥの主人公・ゼノとは結構離れた位置なのかなと思っています。
彼の精神構造には、過去の調停者の影響が少なからずあります。他者に慕われるところも、妙に喧嘩っ早いところや精神的に落ち込みやすいところ……などなど。
②ヒロイン・日向空
“幼馴染”というキーワードは昔から好きで、おっとりとして料理も上手で……という、まぁよくあるパターンのヒロインになってしまったなと思います。物語のカギを握るキャラではあるんですが、それがなんなのかは、この物語ではハッキリしないです。そのため、正直リサに食われてしまった感は否めないなと思います(笑)。
それでも、最後の“約束を果たす”という最命題を果たすには、なんだかんだ彼女が最適だったなと思いますね。
③裏ヒロイン・リサ
実は、どの作品も“ヒロインは二人”というコンセプトでやっています。EPISODEⅤはまだあんまり進んでないですが、EPISODEⅥやEPISODEⅢを読んで頂けるとわかりやすいかもです。
そして、ヒロイン像はどれも二つのパターンです。一人は導く者、もう一人は支える者。今作では、前者がリサで、後者が日向空ですね。最初から最後まで、ソラを導き、最後立ち上がらせたのも、彼女でした。彼女なしでは、この物語は完結しません。それ故か、先にも書きましたが、日向空の存在感を薄くさせてしまいすぎた感があります。
「ボーイ・ミーツ・ガール」というのは、おそらくほとんどの少年漫画やRPGで使い古されたものだとは思うんですが、一番万人受けもしやすいとも思いますし、リサはそういう立ち位置のキャラとして動かしました。
彼女がこの作品で一番好きですし、一番好きになってもらいたいキャラでもありました。
④ラスボス・修哉
主人公の幼馴染がラスボス――というのは、最初から決めていました。ソラの一番の理解者がラスボス――彼と戦うシーンは、一番書いていて盛り上がったなと思います(自分が)。
彼の真意というのは基本的に書いていません。なぜ、世界を滅ぼそうとしたのか。なのに、なぜソラ達と過ごしていたのか。第一部の彼の行動はどれも彼にとっての本心であり、最後の歪な感情も彼の本心です。相反する感情を、どう昇華しようか――そんなキャラでした。
⑤樹
兄を憎む弟、というコンセプトでした。劣等感――というものは、容易に殺意や憎悪に変貌するものと思っているので、そういうキャラです。好きな女の子(空)は、自分の兄のことが好き。海までそんなだし、自分は病弱だし……。己の兄に対する劣等感を、人類は醜く滅びなければならない……などという大義名分にすり替え、兄に敵対した大馬鹿です。修哉はそれを見抜いており、だからこそ、捨て駒として利用したに過ぎないのです。
そのせいか、作者である自分にとっても影の薄いキャラではあります。
★それぞれのエピソードについて
◆EpisodeⅠ「神々が知る、星の閃光」
:バルドルたちの時代(約五万年前)
◆EpisodeⅡ「永遠の夢へ堕ちし願い」
:カインの時代(約一万年前)
◆EpisodeⅢ「穿たれた空と、終わりのない旅路」
:ユリウスとシリウスの時代(約二千年前)
◆EpisodeⅤ「暁の誓約が集いし処」
:現代(約18年後)――「BLUE・STORYⅢ」
◆EpisodeⅥ「全ての始まりにして、全ての終わりなる時へ」
:宇宙歴時代(約二千年後)――「BLUE・STORYⅡ」
となっております。
長くなってしまいましたが、今度こそ……
またいつか!