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BLUE・STORY  作者: 森田しょう
◆1部:僕と彼と彼女たちの日常
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始まりの詩


 青空が見える。



 大気は澄んでいて、青い景色は遥か彼方へと続いている。まるでこの世界を覆いつくすかのように、それはあまりに広く、あまりにも僕の心を捉えて離さなかった。


 いつからだろう。この空に心を奪われたのは。

 いつからだろう。

 この世界には、想像を絶する闇や憤りが渦巻き、幾多の戦乱と繁栄を繰り返して今の世が築かれたと気付いたのは。


 僕はゆっくりと息を吐きながら、目を瞑った。これまでのことが、この世界へ足を踏み入れてからの出来事が、鮮明な写真のようにまぶたの裏に映し出されていく。


 戦い続けて、体は多くの傷を負っていた。消えることのない傷もあれば、既に跡形もなくなったものもある。だけど、僕がこれまでに歩んできたものは、何一つ消すことはできない。

 僕はこの世界で何を得たのか。

 自分の弱さ、世界の脆さ。人の醜さと、美しさ。それらを求めて、生まれる前から足掻き続けている。失っていった友人の声や、辿り着けなかった仲間の意志。


 未来へ――子供たちへ、あらゆる“審判(ジャッジ)”を遺さざるを得なかった人たち。


 そして、ここまで来た。数多の犠牲の上に。


 僕は“審判(ジャッジ)”を下す。

 それを促すように、“彼”は僕に言う。


「準備はいいか?」


 僕はその言葉に、大きく頷いた。目の前に、あの巨大な水晶体がある。



 

 禁断の果実――“星の遺産”。

 “約束の(とき)”を、迎えんがために――



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