これから
何書けばいいか数日悩みましたよ
「落ち着ついた?」
弥生は泣き出した僕の背中をずっとさすってくれていた。
「大丈夫だよ、弥生。ありがとう。」
「ん。」
ガタンッ
「ノーム?!」
座っていたノームが椅子ごと倒れて、本当にビックリした。
「ノーム、あなた…。
また、昨日徹夜してたのね。」
ウィンディーネはノームの頭を掴み上げ、顔をビンタし始めた。
「起きなさい!!」
「ウィンディーネさん。やりすぎでは?」
「いいの、いいの。パパは知らないだろうけどこれは日常だから。」
「日常!?」
サラマンダーとシルフに視線を送ると、静かに頷いた。
あっそうなんだ。性格は一番普通で、徹夜するほど仕事熱心。仕事?まぁいいや。とにかく苦労しそうなタイプだということは分かった。
パシッ パシッ 「ちっ。」 ばシッ
「うわっ!!ここはどこ?仕事はどこ?今何時?」
舌打ちのあとのビンタの音がすごい。起きたときのノームの反応もすごい。
「ノーム、あなたまた寝てたわよ。」
「あ、そうなのだすか?あんがとございます。」
誰だよ?!
「サラマンダー、やりなさい。」
「まかせとけ……オゥラぁ"ーーー。」
大きく振りかぶったサラマンダーの拳は物凄い勢いでノームの顔面へと吸い寄せられているかのように向かっていく。
バコォーン
「いってーーーーー!!
起きてます!起きてますから!」
「君の拳、優秀よ。」
「あざっす!!」
ウィンディーネもサラマンダーを褒めるときあるんだね。
「えーと、えーと。
あ、そうだ父さん!」
「は、はい!どうしましたか?」
「実はボクたちが父さんをこの前見つけたときに、ボクたちで提案してみようかと考えたことなのですが。
…ボクたち精霊の王になる気はありませんか?」
[またいずれ会おう。精霊王。]
あのとき、もう一人の僕が言っていたことを思い出した。
「でも、四大精霊が王みたいなものじゃないの?
それに、他の精霊たちが何て言うか。」
「ボクたちは王というよりは、社長のようなものです。
こちらの世界の自然の魔力を監視し、出来る限り災害などを抑えるのがボクたち精霊の仕事でボクたち大精霊はそれを取り仕切る存在。」
そんなことをしてくれていたのか。ありがたい。
「ボクたちは創造主である…親である父さんとまた過ごしたい。
他の精霊の中にも、父さんを未だ探している者やあなたに会ってみたいと思っている者も数多くいます。」
「立派な王にはなれないよ。」
「王と言っても、業務などをしてほしい訳ではありません。
ただ、父さんの場合は精霊たちと関わることで多くの精霊から父親として慕われることになります。
そうなれば、精霊たちの力を行使することもできます。
多くの精霊を従える存在。それはもはや、精霊の王と呼べます。」
精霊王。あの事件以前のボクならばきっと精霊の王になるなんて考えられず、怖じ気づいていた。でも、僕はもう何も失いたくない。だから、僕は強くなりたい。大切なもの全てを守れる人間になりたい。
それに、この選択をすることによって僕をもう一人の僕に再び会わせてくれる気がする。
「あなたたちの王になろうと思います。その代わりに、一つお願いがあります。」
「何でしょう?」
「僕自身を強くしてください。」
「その話了承します…が、とても厳しくなりますよ?」
「はい。覚悟の上です。」
「…というか、元からそのつもりだったのですがね。
精霊たちは自然の魔力を管理する以外では直接こちらの世界に関わってはいけない決まりになっています。
なので精霊たちは、主と決めた人間と契約し、その主に魔力を貸し与え助けることで、人間たちと親交を深めてきました。」
「なるほど?」
「父さんには精霊の魔力を受け入れる器や正しい魔法の使い方を覚えていただきます。
その過程で父さん自身も強くなることが可能になります。
最近は物騒ですし。
父さんには長生きして貰いたいですしね。
あっそうだ父さん。」
「はい?どうしたんですか?」
「敬語はなしにしませんか?」
「いいのかな?」
「ボクたちそのほうが嬉しいです。」
「わかった。
…ノーム、サラマンダー、ウィンディーネ、シルフ、よろしくね!
弥生もこれからよろしくね。」
「はい、父さん。」
「おう、親父!」
「えぇ、パパ。」
「やったー、パパぁん。」
「これからもよろしくね。りゅうき。」
失ったものは多い。でも、きっと大切な存在が側で笑っていてくれれば、乗り越えられる。
僕は強くなる。
僕は守ってみせる。
僕はこれからも生きていく。
まだまだ書いてくぞ~ーーーー




