中三の夏
初めてなので下手ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
親には「好きな人はいない」と、嘘をついているが、本当はもう二回は恋をしていた。そして、今も恋をしている。
ある日、僕が恋をした三人の共通点を考えてみた。似たような性格でも、似たような顔でもなく、これといって共通点は無いようだったが、思案を重ねていると一つだけ思い浮かんだ共通点があった。それは、笑顔が可愛いということだった。他の人とは違う、向日葵のような真っ直ぐで可愛い笑い方をする人だった。それだけだが、僕の心を射ぬくには十分だったのだと思う。
今の恋の始まりは春だろうか。席が近く少しだけ話をする機会があった。その頃から「可愛い子だな」と、思っていたのかもしれない。その後、席替えがあったのだが、たまたま、彼女の隣の席になった。はじめは、ギクシャクしていたものの、少しずつ話すようになり、その時にみた笑顔が恋の決めてとなったのだろう。
一学期も終え、夏休みに入った。夏の風物詩の花火大会が近くで行われた。受験勉強の息抜きとして、友達と行くことになったのだが、会場に行く途中で彼女に会った。テンションが上がったつかの間、彼女の隣には僕の友達がいた。どうやらデートようだ。その、二人から声をかけられ、適当な返事をし、僕は早足で会場へ向かうのだった。
会場についてからも何度か二人を見かけ、その度にどうしようもない気持ちが込み上げた。ただ辛かった。後で話をきいてみると、特に進展は無かったようだが、お互い満更でもない様で、僕になんかチャンスは無いようだ。悟られないように、それっぽい応援のメッセージを送ってみると、まるで自分の気持ちに素直にならない罰を与えるかのように、激しい胸の痛みが僕を襲った。
その日からは、ふときづくと、彼女のことを考えるようになった。負け試合だと頭ではわかっている。でも、心が言うことを聞いてくれない。どうすれば良いのかわからず、とりあえず寝ようと思って布団に入ってはみるものの、寝付くことはできない。彼女の、あの、向日葵のような笑顔のためなら、何だって出来るはずなのに、ただ見守ることすらできない。
胸が苦しい。息がつまる。心が痛い。
今、彼女は何をしているだろう。誰のことを考えているのだろう。それがもし、もしも僕だったとしたら…いや、もう止めよう。
そんなことは、あるわけ無いのだ。明日もこの苦しみが続くと考えると辛い。はやく楽になりたい。
どうしようないほど、君がいとおしい。
今日も布団に入って君のことを考える。そして、胸を痛めて、色のない明日がきて、僕はまた、君のことを想うのだろう。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。