【第9小節】 室町時代の祭りに願いを
俺と彼女はみんなと待ち合わせした
底なし沼の隣へ向かう
しかし祭りの集合場所に人だかりができていた
よく見ると人だかりの中心で
隣の席の奴が先輩に殴られていた
肩がぶつかっただとか
しょうもない理由で
土下座しろだとか
金だせだとか
怒鳴っていた
かつあげである
俺はしばらく見ていたが
クラスのメンバーが締め上げられているのは
不快だった
「お、おい」
って人ごみの中を行こうとしても
人の囲いは一切動かなかった
そして
誰も見ているだけで
助けようとはしなかった
その人ごみが邪魔で前にいけなかった俺は
クラスのメンバーは何をしているか見たら
クラスのみんなも笑っていただろう夏祭りは
残念なことにみんな おびえていた
一方、神輿を担ぐ祭りは 民衆の幸せを願い豊富を願っていた
太鼓はなり、 民衆の健やかな日々を送れるように祈願していた
神輿を担いでる場所から見えない
底なし沼の隣は
高校生より上の腕の太いデカい男が耳に太いピアスを通した男と
隣には金髪の姉ちゃんがいて
俺の隣の席のあいつに土下座しろだとか怒鳴っていた
あいつは下を向いて耐えていたが膝を地面におとして
いやいやグズついた様な鳴き声を出しながら地面に手をつけた
俺は近くを探して後ろから石を投げた
あいつの後頭部に
クリティカルヒット
「いてえな!?誰だよ!」と振り返ると
いままでどかなかった
人混みに隠れて俺は見えなかった
俺はとなりの奴はバカっぽいけれど
笑っていてほしいような友達の部類だった
友達じゃないけど
人混みがどきたがる
俺までの道をどきたがった
少しづつ空く道
まるで自分は関係ないかの見物客のように
そしてそいつに見えた俺へ 他人の顔や体を推してどかして
俺のところへ来て
右の拳が俺の左のほほへ
バコッ
ふっとぶ弱い俺
ズサァッ
痛い
ざわめく人ごみ
かといって殴ったやつを非難するわけでもない
「・・・甘さん」
土下座しかけていたとなりの席の奴が俺だと気づいて俺をみた
そのデカい男は俺の胸倉をつかんで持ち上げた
弱い俺 ダセェとか自分で思いながら大柄なデカい男には勝てないと知った時
わなわなと何かこみあげてきた
でも、どうすることもできなかった
その時、
彼女が俺を助けに入ってきた
「やめてください」
すかさず俺があっちにいってろと止めに入ろうとするが
口が殴られて動かない
デカいやつが「うるせえな!」と反対の手を上げようとしたとき
「もうやめなよ」とデカい男の連れの姉ちゃんが遠くで言った
見た目も声も怖そうな女だった
デカい男は舌打ちをして俺をおろして
「見てんじゃねえよ」と周りに激しく声をあらげ
金髪の姉ちゃんと別の場所へ移動した
自体は収束した
周りの人は何事もなかったかのようにその場から消えたり
俺に声を「大丈夫だった?」とかかけたりして
さっきまでの夏祭りに戻る
「甘さん、ごめんな」隣の席の奴が俺に謝る
「・・・別に、それより大丈夫か?おまえ服とかに砂ついてるし」
「うん」
「運悪かったな」
俺のほほはものすごい激しく痛いのかはわからないくらい感覚はなかったし
若干手が震えていたのが目でわかって
手をポケットにしまった
ほんとダセェと自分で思った
「甘さん、かっこいいよ、俺、なんもできなかったよ、ね、はっちゃん」
「・・・う、うん」
そういえば忘れていた彼女が俺を不安そうな目で見ていた
気まずい
その場の空気をどうにかしようと
俺は「わび」ということで
屋台の食べ物をおごらせて 清算した
するとまわりの見ていた大人が俺たちに
冷やしたタオルや屋台の食べ物なんかをただでくれた
彼女はみかん飴を今度食べて
俺のほほはりんご飴みたいに腫れていてそれどころじゃなかった
帰りたいとか思いながら まだここに居たいが混同していた
俺は かき氷の青いブルーハワイを食べた
これから俺のほほが紫色に青くなるからだ
クラスのメンバーはしらけちゃったのか
不安だったのか家にほとんど帰っていった
夜の8時を回ってからまたさっきみたいなのが
いたら嫌だからそうそうに帰ることにした
俺たちもはやく帰ろうと神社に賽銭を入れて
願った
神様なんて信じてはないから
この痛みが消えますようにと くだらない願いを願った
彼女も一緒にお願い事をしたから何を願ったか聞いても
教えてくれなかったけれどしつこく聞いてみたら
星がない空に「星がでますように」って願っていたらしい
だから「俺は殴られて星が出た」といったら笑っていた
ちなみにとなりの席のやつに何を願ったか聞いたら
「さっきのやつ死!!」だとか「成敗され地獄に堕ちたもう」とかいう
アホみたいな願いごとをしたらしい
どうしようもないなと思ったけれど
俺も同じような願い事のレベルかと思うと
願い直しをしたい
室町時代にできたこの神社の神様に
「このクラスのメンバーの笑いがたえませんように」って
心の中で背を向けながら願った
中学一年になると
期末テストが始まった
俺はテストの点数があまりよくなく親に塾に行かされることになった
それから夏休みになって
俺は塾にゲーム
彼女は部活
あっという間に夏休みが始まって
なにもこれといってなにもなく終わった
俺のほほの痛みも消えて
また前の学校の日常が戻った
また2学期 席替えがやってきた
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