【第7小節】 平凡な俺とふつうの彼女
今日は日曜日 学校が休みだった
近所の公園で夏祭りがあるらしい
昼から町内会で配られた無料券をもらって
駄菓子をもらいに行くことになった
中学一年生もうガキじゃないっていうか
大人でもないからもらっていいのか
いけないのか朝から憂鬱な気分になった
「甘さーーん」
俺はなぜか甘さんと呼ばれている あだ名らしい
どうも甘いものが好きだからそう呼ばれているらしい
家に来たのはクラスのメンバー3人。男
自転車に乗って今日は制服ではない私服だ
みんなTシャツに七分のジ―ンズにサンダル
俺はTシャツにアンクルパンツ に白のスニーカー
マリンコーデというものを雑誌でみて真似してみた
「いま、いく」
「おー」
3人は俺がくるのを待っていて
ぺちゃくちゃと男だけで女の身体の構造とか
ゲームの話とかを話していた
自転車に乗って4人でだらだら近所の公園にいって
出店で安いアイスとかを食べたりしながら
だらだらしゃべっていた
中1だけでだが、先輩の男子グループもいたりして
微妙な距離感やちょっとした緊迫感がある
学校にいた中二の先輩は 公園の隣にある墓地で
走り回って鬼ごっこをしていた
「俺たちもやろうぜ」なんて仲間のひとりがいうから
死体の周りで遊ぶなんて「縁起悪いしやめようぜ」って俺が言って
公園でまたくだらない追いかけまわし
そのとき
「あ、女子だ」
彼女もいた
私服じゃなくて浴衣
彼女はほかの女子とも一緒にいた
彼女の交友関係(友人関係)なんて知らなかった俺は
そういえば学校の休み時間にあれらといたなとか思い出す
仲間の一人が
一人で女子のところにいった
公園の入り口で
なにかしゃべってるようだ
「・・・・」
長い なにしゃべってるんだ?とか
こっちに連れて来いよとかおもいつつ
やっぱりこっちに連れてきた
「なー、来週の夏まつりみんなでいかない?」
「来週の?」
他にも夏祭りなんてあるのか?と思っていたら
結構有名な数年に一度の夏祭りがあるらしい
俺は彼女と話さないままチラチラと彼女を見る
すると彼女と目があって
お互いで目をそらす
周りを見渡すと
周りは 町内会の祭りで配っていた西瓜を食べながら
来週の祭りの会話に夢中
俺は座ってた位置から
彼女の隣まで無言で移動
周りのメンバーも一度、俺を見るが
当たり前の光景のようで
また会話に戻る
彼女がこっちをみる
やっぱり近くがいいし
隣のこの位置が良かった
俺はとくに何も話さないし
彼女もとくに何も話さない
周りがしゃべってる
でも、2、30分で会話が終わって
女子たちは帰っちゃって
俺は終わりに冷やかされる
女子に声をかけにいった奴は
もう小学生で女の経験があって
「どこまでいったんだ?」とか聞いてくる
「なにをしたんだ」とか
「いや、別に、そういうんじゃないし」
とはぐらかす
それをわき目に俺ら2人をみる彼女いない
好きな女もいない残りの冷たい目を
見ながら
そんな会話をした
今日の浴衣は見られてラッキーだった
白の浴衣に藍の紫陽花が咲いた浴衣だった
【補足】
紫陽花の花言葉・・・花言葉は元気な女性、辛抱強い愛情 家族の結びつき
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