【第23小節】 デコ告白する
それは春だった
桜が散り始めたころに
デコは机の上で死んでいた
ついにデコはデコ女に告白した
「付き合ってください!」
それは昼休みの時間に行われた
俺はもちろん返事はOKだと思っていた
だがしかし、返事はNO!
頻繁に二人は仲が良かったし
遊びに行っていたのに
一体なぜふられたのか
わからない
「言い方がわるかったんじゃないのか?」
「え」
俺はデコに言った
「鼻毛がでてたとかさ」
「・・・」
デコは自分の顔をトイレの鏡でみて、「ほんとだ!!」
と鼻毛を抜いて教室に戻ってきた
そして授業中、
もう一度
今度は手紙で渡すことにした
恥ずかしかったのかもしれないと
いろいろ作戦を練ってみることに
俺は考えた
デコがデコ女に授業中にメモ用紙みたいなちぎれた紙に
汚い字で手紙を書いて送った
「どうしてもだめ?」と
俺は先生が後ろを向いて黒板に文字を書いている時間に
目で合図をしながらデコに「いまだ‼今渡せ!」と言った
チギッたメモをぐしゃぐしゃっと小さく小さく丸めて
デコはデコ女の机の上に投げた
ジャスト
デコ女の机の上に丸めた紙がコロコロっと転がって
デコ女がデコの方をちらっとみて
紙を広げて
見た!
なにやらデコ女は紙の中にえんぴつで書き込んで
丸めてデコに投げ返した
デコは焦ってその紙をてのひらに両手で握って
拝んでから開いた
俺はそれを手に握りこぶしを作りながら
横目で見ていた
デコは机の上でまた死んだ
頭から何か幽体離脱仕掛けているような顔をしていた
デコは俺の方をみた
俺は焦った
あいつ、2回ふられてやがる。と吹きそうになったが
なぜかわからない
俺は自分のノートにぐしゃぐしゃっと
「デコの事が好きなんじゃないの?」とダイレクトに書き込んで
デコ女に見せた
するとデコ女ににらまれた
たちすくむ俺、
この謎が解けない俺
だってあんなに遊んだりしてずっと一緒にいて仲良かったじゃないか。
だってあんなに俺たちは授業中も楽しそうに遊んでたじゃないか?!
他に理由でもあるんだろうか!??
いったいなぜだ!?
なにがいけなかったんだろうか
俺は「なんで!?」と
ノートにでっかく書いて
デコ女に見せた
デコ女は俺をにらんでしらけた顔で
小さな声で言った
「もう好きじゃない」
そう、それは賞味期限というやつだった
なんだと!?俺はショックとムカつきと混乱に襲われた
そんなことってあるんだ・・・
好きだったのに賞味期限が訪れて
もう好きじゃないとかあるんだ・・・と
俺は知った
そして不安になった
俺と彼女もいつか賞味期限が訪れてしまって
もし好きじゃないって言われたらどうしようと
そしてなぜだと
俺は錯乱したまま
ノートに書いてデコの女に見せた
「俺はまだ好きだ!」
それをデコの女は見てしらけた感じに言った
「は?」
放課後俺とデコの死体が打ちあがっていた
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