【第2小節】 アニメ?!
休み時間になると廊下から教室を覗く男子の姿が見える
そう目当ては彼女を見に来てる
入学早々もう噂
隣の席はこの俺
俺、俺。
なんで俺?
こんなことってあるんだ
そればかり考えていた
誰よりも近い
朝の授業から夕方の授業終わりまでの長い時間に
隣にいれるのは俺
せっかくだから話したい
何をしゃべるんだろう
どんなこなんだろう
でもなにを話せばいいのかわからなかった俺は
一人できょろきょろして
挙動不審状態だった
どうしようどうしようと思ってたら
彼女が話しかけてきた
「アニメのアレに似てない?」
アニメ?!
こんな子がアニメを見るんだろうか
俺は見るけれど
彼女はアニメを見るらし
ニュースとかドラマとかみてそうな雰囲気だった
マイナーな俺も良く知らないようなジャンルのアニメだった
俺は知っていたけれどうっすらとしか
覚えていなかった
内容は
女の子が主人公のロボットアニメ
俺はその主人公の準ヒロインみたいな感じだ
俺はヒロインではなかった
かるく凹んだ
彼女は言った
「あのアニメヒロインより準ヒロインのほうがいいよね」って
「え、あーああ」
そんな深い意味なんてないと思ったから
俺は流した
だってそれって、、、さ
俺は話したことだけでうれしくて
うれしかった
俺は思いついたアニメの曲の口笛を吹いてしまい
とっさに抑えて
彼女に笑われた
俺は家に帰ってアニメを見た
彼女が主人公で
俺は準ヒロイン
彼女は内気でうじうじしているキャラクターで
ロボットにのって戦う女主人公だった
俺はどっちかっていうと元気で高飛車な感じでロボットに乗車し
いいところで負けた
女主人公の本当のヒロインは冷静でおとなしい男だった
いつも主人公のそばにいて女主人公が負けそうになるとフォローする
元気で高飛車な準ヒロインの俺は
主人公を助けようとしても仲がよくなっても主人公をカバ―できない
肝心なところでいつもヒロインに持ってかれる
そういう完璧ではないキャラクターだった
俺はアニメを消して
ネットを見た
あのとある人物だ
なにやら今日も勉強についてしゃべっていた
みんなが彼に注目し
彼の知識を必要としているように見えた
中学生の俺にとって
大人という存在はまだ手のとどかない憧れだった
その中でもひときはそのネットのその人物が大人としての代表だった
俺はこうやって人の力になれる完璧な人物になりたいと思った
純粋に憧れた。
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