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かがやく星の下で  作者: ナツメアミ(夏目あみ)
18/25

【第18小節】 酷い鬱・・・大丈夫

はっちゃんの机にはもうはっちゃんは座らない

いつの日かわからないくらいに引っ越した

外から家をみた一軒家は空き家になって売地になっていたらしい


永遠にしぬことのない思い出


俺は心の底から悲しんだかもしれない

寂しかったという感情に近いかもしれない



彼女がいなくても大丈夫と思っていたけれど

彼女のことを考えると不安になる

もう俺の事なんてわすれてしまったんじゃないかとか

もう新しいやつのところにいったんじゃないかとか

そういう妄想が頭の中を消しても消しても

考えないようにしても出てくる

そのたびに俺の神経が不安になって

がむしゃらにそんな自分に苛立った


今日は皮肉にも晴天


その日差しの良さが無性に自分の無垢性の心を包み込むかのように・・・


俺は公園のベンチで寝転がってタオルで眩しさを覆い隠して目をつぶった



ザァァァ・・・・

木と葉が風で擦れあう音が聞こえる

自分の気分はこんなにもふさぎ込んでいるにに

皮肉にも世界は回っていた


「ああこれからどうしよう」なんて愚痴が出た

「俺も一緒に引っ越していきい」そうとも思った

でも現実は 一緒に居たい人とはいれないし

気分がふさぎ込んでても世界は明るく回っていたり

気分が良くても空は曇ったり嵐だったりする


そんな望んでいるものと違う現実があったりすることを知る


俺は9時くらいに遅刻して学校についた


学校で友達のデコに好きな女がいて4人でカラオケに行くことになった

俺と、デコとデコの好きなデコ女、とデコ女のよくいる女友達


俺は行きたくなかったけれどデコのためだし 

だるい身体でしぶしぶ行くことになった


午後の4時になりカラオケ屋の駐車場で待ち合わせをする

カラオケの人気曲を順々に歌ったりみんなで歌ったりした

みんなはっちゃんの話はしない

俺もしなかった

頭の中は彼女でいっぱいなのに

口にはできなかった

デコはデコ女にアピール、ちょっといつもとちがうクールなデコを

見て見ぬふりしながら、鼻で笑う

するとデコ女の友達が話しかけてきた

「はっちゃん、引っ越しちゃったね」

「・・・・」

触れてはほしくないというか

なんでその話題なんだとか思いながら

俺のテンションが一気に下がる

けれど別に相手は悪くないしと思って

「うん、そうだね」と答えた


前にもあったこんな雰囲気

「私、甘さんの彼女になってあげてもいいよ」

さらっとドリンクのストローを加えながら

上目づかいでみてくるデコの女の連れ


あーなるほどね・・・って

このまま4人で仲良しグループで学校生活過ごせたら

それは楽しいかもねって一瞬思った

でも俺は好きじゃないから

笑って流した

「あはは、そう・・・・」

妙にくっついてくるデコの連れの女、ベタ子


べた子は俺の腕に腕を絡ませてくっついてくる

俺の左腕にベタ子の胸があたる

「・・・っ!いや、ちょっと」

ギュッ

あからさまにくっついてくるべた子

デコの方をみると

デコも見て見ぬふり

並んでズルズルとカラのドリンクを二人で飲んでやがった

俺は右手でベタ子の腕をつかみ

「えっ」ってドキドキしたであろう顔のべた子の腕を

振りほどいた


「くっつくな」笑っていった

「ひどーい」なんていうベタ子

別に嫌いではないがくっつかないでほしかった

それからカラオケは無事終了


デコと二人で帰る道で

俺はデコに言った

「はめたな?」

「何を」

「俺を」

「知らないってっ」

走って逃げるデコに追いかける俺



はっちゃんはもういないし

新しい彼女を作れってことなのかって

机の上で悩んだ俺に

一本の電話がなった


プルルルルル


家の固定電話がなった

母さんが出て、

俺の名を呼んだ

「誰?」俺は聞いた

「女の子」

「え」

俺は一瞬彼女を思い浮かんだ

はっちゃんを思い浮かんだ

俺は期待して

受話器をとった

「・・・もしもし」

「甘さん・・・」

その声の主は・・・


俺は・・・・


挿絵(By みてみん)


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