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かがやく星の下で  作者: ナツメアミ(夏目あみ)
14/25

【第14小節】 片道切符の各駅停車

挿絵(By みてみん)



今日は全校集会が開かれた

校長先生が体育館の真ん中で

長い話をする


「みなさん、おはようございます。

今日は、あたなも人生の料理人という篠原さんという方が書いた

文章を紹介しましょう」

校長先生はその文章を読み始めた

人生はたった一度っきり

あの世があるなんて言う人もいますが、行ってみなければわかりません。

とにかく。この世の人生は1度きりです。

この世で幸せになりましょう。


人生に定年はありません。

会社や組織に定年はありますが、人生には定年はありません。

人間、死を迎えるその一瞬まで人生の現役です


人生の主人公は自分。

おしっこがしたくなった。でも今いぞがしいから

誰かかわりに行って

これはできません。 人生も同じです

自分が主人公となっていきていくものです。


人生は各駅停車の旅

人生は片道切符の旅です。

ならば各駅停車でいきましょう

特急に乗ったらとおりすぎてしまう風景をしっかり見ておきましょう

ゆっくりだから充実するのです。


人生は出会いの日々

八十歳まで生きても心の底から

「この人に会えてよかったなあ」と思える人の数はおおよそ

三百人とのこと。ならば一度一度、

一人一人の出会いがありがたく、尊いですね。

人生一人ではいきれない

自分の力で生きていると思ったら大間違いです。

多くの人や物に支えられ助けられての人生です。

一人では生きられません。迷惑をかけたりかけられたりでいいのです。」


校長先生はゴホンと咳払いをした。


続けて続きを読み続けた

なぜ校長先生がいきなり話をはじめたのか気になって

周りを見渡したら


隣のクラスを見ると騒がしかった

デコにどうしたのか聞いたら

「・・・サッカー部のあいつ手首きったらしいよ」っていったらしい

思春期になるといろいろあちこちで

みんなおかしくなる感じが俺を不安にさせた


たしかになにかわからない衝動というものが自分を動かすのが

たまにわかる わかってやめる

俺は聞いた

「なんで?」

「知るか、本人にきけよ」

「え・・・」



はっちゃんはあれから学校にこないし

ガリメガネは自宅謹慎

サッカー部のあいつは病院らしい



俺は担任の先生に呼ばれた

職員室へ行く

「おまえ、葉月と中いいんだって?」

葉月とははっちゃんのことである

「え、いや仲いいほどでは」

俺は照れ隠しでいったが、何か先生は知っているのでは?と思って

「クラスでは一番仲いい方、よく一緒に遊んだ」なんて嘘をついた


すると先生が「家知ってるか?」って言った

どこだっけ?と思い出しながら話したら先生がプリントを渡した

「プリントたまってるから渡してきてくれるか」

「いいですけど」

「先生が言ってもだめだったから頼むな」

「え・・・」

自体は結構深刻に思われた


俺は一人で放課後そのままはっちゃんちに行った

ピンポーン

はっちゃんちに鳴り響くチャイムの音

しばらく待って

でてこないかいないのか どうしようか待っていたら


 ガチャ


ドアからはっちゃんが出てきた

先生は葉月は顔も出さないとかいってたけれど

普通にでてきた

「・・・よぉ」

「久しぶり」



なんとなく気まずい空気が流れて

「プリント持ってきた」と鞄からプリントを出した

「あがる?」と言われて

「え!?・・・いいの!?」って返事をした


俺は緊張しながら女子の家に入る。

「お邪魔しまーす」

靴を脱いで

台所から「どうぞー」と彼女の母親の声がした


彼女は一人でゲームをしていた

想像していた女の子の部屋というより

電気もつけてない夕日が勝手にはいってくるような

簡素な部屋という感じだった


俺は一番気になっていたことを聞いた

「引っ越すんだって?」

彼女は「え?なんで知ってるの?」って驚いた顔をして俺をみた

久々に彼女の顔をはっきりみた感じがした


「んー、うん」

そこで会話は終了。

これ以上聞いたらまずいなって思ったから

彼女のへやを見渡して 話題を変えて

テレビゲームをすることになった



ゲームをしている間 楽しい

格闘ゲームをしてやっつけたりやっつけられたりした

アニメの時間にはアニメを見たり


彼女のお母さんがお菓子を持って来て

食べながら遊んで 

いままでいなかったことなんてまるで忘れて遊んだ


彼女も笑うし俺も笑う

あっという間に夕方になった


「お邪魔しましたー」と靴を履いた


時間は18時を回っていた

彼女は最後に「またくる?」って俺に聞いたから

「くる」って笑顔で言った



次の日学校に来るのかと思ったら

来なかった


「あれ?」


俺はまた職員室に呼ばれた

「昨日どうだった?」

「いや、普通に遊んだ」

「家にいたのか?」

「え、はい。まあ」

「うーん」

そのまま職員室をでた


今日も夕方遊びに行こうとしてデコも誘おうと思ったけれど

はっちゃんは先生とは距離があるように感じたし

知られたくないことってあるよなって考えて

口が軽そうだからやめた


しかし俺はデコに

「なんで彼女引っ越すの?」って聞いた

あいつはどこから情報を仕入れてるのか気になったが

どうでもいいやと思った

「えーなんか親が離婚するらしいよ」

「え!」

ガリメガネのせいではなかった

でも実際に来なくなったのはガリメガネのうんこ行動事件がきっかけだから

複雑にいろいろ絡んでるなと思った




音楽祭の練習がまた再開した 遅れた分もするために居残り練習も始まった

音楽祭は各学校のレコーディングしたものを集め録音し

学校のクラスごとに競うらしく

先生たちも熱が入っていた


俺は彼女の家に行く時間がなくなった

だがしかし、ガリメガネはお受験があるとかいうので塾があり音楽の先生は参加はしなくていいと

いうことになった


くっそむかつくとか俺は思った

他人の授業や俺と彼女の関係を壊しておいて自分は自分の道を進むのかとイラついたが

どうしようもなかった


俺は音楽の先生は依怙贔屓をするとデコにきいたので

俺の意見は通らないから自分の担任の先生に

「不登校ってよくないと思うんで放課後は様子を見に行きたい」と言った

絶対にダメだとかいわれるかと思ったけれど担任の先生は簡単に了承してくれた


するとどこからかかぎつけたデコも行くことになった

いらねー とか思いながら

だんだんと日数がたつにつれ 彼女の家にたむろするやつは増えていった

俺は彼女が引っ越すまで 時間を楽しむことにした


だって大人になればまた会えるかもしれないだろ

そうしたらまた遊べる。そう信じていた


http://22182.mitemin.net/i262943/

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