【第13小節】 彼女、うんこ食われたってさ。
体育祭の準備もしながら音楽祭の準備が始まった
音楽室へクラス全員が集まる
男女でソプラノアルト テノール バス
などに別れて練習をするのである
練習より会話の方が楽しいから
クラスの男子一人が音楽祭の準備中に女子に告白してふられた話が始まった
「だれだれ?」
「あいつだよ、あのガリ」
「え?どれ」
「メガネ」
「え?いたっけ?」
「いるよいる」
俺はメガネのガリを探した
音楽の教科書を持ってわき目で女子を見ていた
「ほんとだ!」
「見すぎだよバカ」
そいつはガリメガネというあだ名だった
ガリメガネは
男子の耳たぶをかじったり
女子のトイレについていってトイレの時間をはかったり
音を聞いたりしている男だった
正直気持ち悪いなと思っていたが
気持ち悪いといってはかわいそうだから黙っていた
しかしかなりのナルシストで告り魔というもので
誰かを好きというより誰かと付き合いたいことを優先にする男だった
「誰に告白したんだって?」と俺が聞いたら
「あいつと、あいつと、あいつ」
「え!」
俺は告白のこの字もないのになんて勇気のあるやつ・・・というか度胸?があるやつと
少し関心したが、最後のあいつは彼女だった。はっちゃん。
俺はどう返事したのか不安になった
「で、はっちゃんはなんて言ったんだ?」
「ふったらしいよ」
俺は安堵した
その男がはっちゃんに近づいて耳たぶをかじろうとしたのだ
「きゃあ!」
俺はむかついて殴った
「せんせいに言いつけてやる」とホホをおさえながら先生にすぐさまチクリにいった
音楽の先生は「いきなり殴るなんて」など一方的にその男の話ばかりを聞いて
俺に言ってきた
はっちゃんになにかとちょっかいを出すアレは
なにを思ったか「女子を嫌いになるためにうんこをくってやる!」と叫んだ
そのあとに中2病というものを炸裂させ
意味不明な呪文をガチで叫んだ
「みんな死んでしまえ!」
クラス全員シーンとなった
「こいつはガチでやばい」俺は言ってしまった
その言葉にまたキレるアレ、に手の付けられない音楽の先生
「やめなさいよ~やめなさいよ~」
と先生もパニックになりがちに
騒ぎ気持ち悪いと叫ぶ女子
そしてどうにか女子を助けたいが
どうしていいかわからない俺
なにもできない虚無感が俺を襲った
デコに目線をおくるがデコは音楽室のすみっこにいって
左手で「いやいやいや~勘弁して」という合図が送られてきた
メガネガリははっちゃんにジリジリと近づいて
狂ってアピールをした
はっちゃんは気持ち悪そうに涙ぐんでいた
その時である
どうしようもならない狂ったガリメガネの発狂と呪文が10数分続いた後、
音楽室に
体育の先生が表れてガチでガリメガネを殴った
飛ぶガリメガネ
ドサッ
はっちゃんはその日以来 学校に来なくなってしまった
俺のせいだと 責任を感じて
何も手がつかなくなってしまった
でもいつか学校にまた来てくれるかなと思った
デコが俺に言った
「はっちゃん、引っ越すらしいよ」
「え」
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