表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かがやく星の下で  作者: ナツメアミ(夏目あみ)
12/25

【第12小節】 人生の進学路!?

深い紺色の制服にストライプのリボンがついた制服を着た女子が歩いている


俺の通っている中学は名門でもなく不可なヤンキー中学でもなく

普通の学校だった



男子はブレーザーではなく学ラン

学生としてふさわしい恰好の服をきとんと着て学校へ向かう


アクセサリーや改造した制服などは着てるのは上級生の1部だけだった


とりわけ校則も厳しくもなく恋愛禁止や靴下がどうのや髪型の結び方や

髪の毛の長さなんてのも指定はなかった

誰もはみ出したりする人もいなかったから厳しくもないのだろう


家から学校の教室へ入ると別世界があるような感じがした

彼女は他の女子とは違う

モデルのような豪華というわけではないがとにかく目立ってかわいいというような女子だった

俺は学校は勉強したりする場で恋をしたりするのはいけないと思っていた

身にはいらないというか女子に欲情したり手を出したりするのは

大人になってからでいいのではないかという考えが少しあった

だけれども、恋をしてしまうのは仕方がない。

こんなにもかわいいのだから恋してしまうのも目で追ってしまうのも

仕方がないと思った。



彼女が毎日学校にきちんと来るとホッとする。

この前 歯が痛くて顔を赤くして泣いて下校した時があった

俺はその泣き顔がかわいいと思った

本当は保健室に連れて行くなりしないといけないと思いながら見ていた


今日の彼女は澄ました顔だった

彼女は俺をちらっとみて目が合う

あきらかに彼女の態度や行動は他とは違うけれど

付き合っているわけでもなかった

なんで俺なんだろうかと思った

だってサッカー部のあいつのほうがむかつくがかっこいいしモテる

なんで身長も高くもない、肌にニキビが1つあったりする俺なんだろうかとか

思った


そのとき、後ろの女子が俺の肩をたたいた

女子が俺にいった

「甘さんって、学ラン似合うよね」

「え」なに唐突に・・・

「そうそう、たまに授業でわからないところがあると

悩んでたりして下を向いて焦ってるのわかりやすいよね」

「ええっ」

見られてた


「よく見てるな」

軽く皮肉をこめていった

見なくていいのに・・・と

焦る

「こくっちゃいなよ」

ボソ。

苦笑いする俺


「それはそうよ、甘さんかっこいいもーん、私、こう見えてもクラスの男子の話とかチェックするの

得意なんだー」

俺が?かっこいい?

「それに 努力している感じがかっこいいとか今人気だよ」

「まじで?」

俺はテンションがあがる

「バカっぽいのが問題」

「・・・バカ・・・」

「サッカー部のメンズの方が数段かっこいいけどね」

「・・・あっそ」

しらけるー 褒めてるのかけなされてるのかわからない

なんだよとか思いながら 冷やかしてるのかと気づく


入学してから身長は5センチくらいのびた

急成長中の俺

はっちゃんのことは俺は彼女にしたい気持ちはあるけれど

彼女にしてどこかにでかけたいとかそういう気持ちはまだない

それは先々考えてるけど中学生ではまだはやいって考えてる



1時間目の前の先生のお話で体育祭の話になった


俺は他より無駄に足が速いらしく

最終項目の学年別のリレーのアンカーに選ばれた


選ばれたんだが他より足が速い実感もとくにない俺

この前の足の速さは芋のおかげだと思っていた

そして隣のクラスのサッカー部のあいつも体育祭の最終項目のリレーのアンカーに選ばれてるらしい


運動部と帰宅部の俺、絶対に帰宅部が負けるに決まってるのだが負けたくはない

俺のクラスの運動部にサッカー部もバスケ部も野球部もぽっちゃり体系が多く

エースになりますという感じのやつはいなかった


軽くゆく先を考えると胃が痛くなる俺



中学の中間テストが終わるころには俺の成績はバラバラな点数で

普通以下のもあればふつうより良い点数のもあったりした


終わった後には進路相談がやってきた

「高校はどこを受験するのか?」という話だった

「特に考えていません」と答える俺

「将来は?」と聞かれ、「考えてません」と答えた


みんなは志望校があったり やりたいことがあったりする人もいたり

高校には行かず専門学校に行く人もいた

中には小学校で中学の受験に落ちたからその挽回をするべく高校で

エスカレーター式の高校から大学に行けるレベルの高校へ行こうとして

毎日勉強漬けの人もいた

「後からでは遅いからはやめに準備をした方がいい」と言われたけれど

これといって、先のことは考えなくてはいけないけれど

先なんて何があるかわからないし、もし自分になりたいものがあっても

先々何か起こってなれなかった時、

キツいからなにも希望なんて持ちたくないと思った


「夢がないな」とか言われて「目標を持ちなさい」と言われた



それから俺は俺がおかしいのかと思ってクラスのメンバーに

聞いたら、どうも適当にどこどこの高校へ行くとか無難に答えたらしい

そういうものなのかと思ったが、俺はどうもそういう取り繕いが苦手だった


進路相談の間、授業はおしゃべりタイムという自習だったから

彼女に聞いてみることにした

「なぁ、先生になんて答えた?」

すると彼女は答えた

「バレーボールの選手になる」

「え」

彼女は突拍子もないことを言い出した

「オリンピックとかの?」

「そう」

俺は驚き動揺した

「夢とかって小さいころから親が協力して・・・」

俺は言いかけてやめた

「なれるわけないじゃん」誰かが言った

それと同時に「すごーい」とも言われてた

はっちゃんを見たら黙っていた

俺はすかさず間に入って

「どういうプランなの?」って聞いた

「強豪校へ行くから偏差値をあげる」と言った

なんてことだ 将来のことを彼女はきっちりと考えていた

対して俺は特に何も考えていない

卒業したらサラリーマンになってだらだら飲んだくれて

ビールをあけながら肌着とトランクスでテレビを見ている自分の姿しか思い浮かばない


こんな子いるんだ

「ていうかはっちゃんて、イメージとちがう」そうつぶやいた


クラスのメンバーが俺に言った

「甘さんて、なにも考えてなさそう」

俺はつつみ隠さずはっきり答えた

「うん。俺何も考えてない」

静まり返る自習という項目のおしゃべりタイム

「へーみんないろいろ考えていてすごいんだな」って言ったら

「考えなさすぎ」とはっちゃんに怒られた



俺は漠然と言われたことだけをやって

学校に行くのが決まりだから学校に来てる

学校に来ると億劫だけれど学校の中には楽しいことがあって

なんとなく良いかなとか思って漠然と過ごしていた


どんなことでも 中には探してみると楽しいことがあったりするというか・・・


でも、ほとんどこの先のことを考えていて

俺、なにも考えてないわ と思って反省した


「やりたいことがあるってうらやましい」

「目標があって努力するなんてすごい」

そんな言葉がはっちゃんに向けられた


俺は反省してこのままじゃだめだと思ったけれど

どうしたいのかもどうしていいのかのビジョンも

なかった



今俺がするべきことは

体育祭のリレーでサッカー部のあいつに勝つことだなと思って

毎日午後走って特訓することにした


挿絵(By みてみん)


http://22182.mitemin.net/i262935/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ