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VS四獣

 最後に、アンケート用紙が生徒に配られ、パンの評価が行われた。

体育館から退出する際、俺は目星をつけた生徒3人に、予め用意しておいた封筒を渡した。


「……」


 渡された生徒は無言でそれを受け取る。


「……帰りがけにでも読んでくれ。 絶対目を通すように」


 その中身は、果たし状だ。

明日の早朝6時に山の祠で待つ、若草牛尾が直々にお前らを葬ってやる、という内容だ。

若草の名前を出せば、四獣の誰かが反応するに違いない。

霊獣使いに恨みがあるのなら、俺に恨みがあってもおかしくないだろう。

俺は一旦事務所に戻った。




  

 

「来るかな……?」


 俺は、山の祠の前に仁王立ちして、四獣を待っていた。

時刻は早朝の5時59分。

腰には霊剣、リュックには除霊テープが入っている。

その時、指輪から何かが飛び出した。

アイリスのウサギだ。


「四獣を倒すのなら、私を活用していただきたい」


「……お前とは契りを交わしてないけど、できんのか?」


 ウサギはドヤ顔で親指を立てた。


「アイリス様から、協力するよう命じられていますので」


 ……口では冗談と言いつつ、マジで気に入られちまったのか?

そんなことを考えていると、カサカサ、と足音が聞こえた。


「……来たか」


 人影は3つ。

目星をつけた生徒だ。


「……あなたが若草牛尾さん?」


 女子生徒が俺に向かって質問してきた。


「……ああ」


 突然、生徒3人はその場に倒れた。

そして、その体から、龍、虎、亀、のような見た目の化け物が姿を現した。

しかも、でけえ!

俺の身長を軽く超えて、3、4メーターはあるに違いない。


「アームズ・モード!」

 

 俺はウサギに触れてそう命じると、手の中に刀を形成して収まった。

俺が一歩後ずさると、目の前の四獣たちは渦を巻くように絡み始めた。

様子がおかしい……


「ど、どうなってんだ……!?」

 

 俺は黙ってその光景を見ていることしかできなかった。

しばらくして、俺の目の前には見たこともない生物が出来上がっていた。

全長は、6メータークラスで、横幅も同じくらいある。

一軒家と同じサイズの怪物だ。

顔は龍、体は甲羅に覆われていて、4本の虎の足を持つ。

はっきり言って、見た目はダサい。

だが、かっこよさと強さは必ずしも比例しないだろう。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオッ」


 突然、でかい咆哮を上げてきたため、俺は尻餅をついてしまった。


「や、やべえっ」


 ズウン、と前足で俺の体は踏みつぶされた。




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