魔導士との小競り合い
イブキとレントはあの後、宿を見つけ泊まる事が出来た。二人はゆっくりと一緒の部屋で、二段ベッドを使い、それぞれ眠った。
翌朝。イブキとレントは宿から出ていた。二人はルナと会う為に、城へと向かった。
城へと着くと、門の前に立つ、門番へとルナを呼び出してもらおうとすると、門番から言われる。
「ルナ様なら、城を出ましたよ。」
驚く二人へと門番はルナの行き先を言う。
「ルナ様なら、街の広場へと向かいましたよ。ルナ様に会いたいのなら、広場へと行くといいですよ。」
二人はそれを聞くと、門番へとお礼を言い、広場へと向かった。
広場へと着くと、中央で人々が集まって何か騒めいていた。二人は人々へと近寄って行くと、背後から誰かが二人の肩を叩いてきた。二人は驚いて振り返ると、そこにはルナが居た。
「何だよー。おどかすなよー。」
そうイブキが言うと、ルナはこの人々が何なのか、二人へと聞くが、二人も分からない。三人は思いきって人々の中へと入って行った。
すると、人々を抜けた先には、人々の囲っている中央で、少年が男を馬乗りになって殴り続けていた。男の顔は腫れあがり、気絶寸前だ。少年は火をまとった拳を突き上げた時、ルナがその腕を掴む。
イブキとレントは驚いていた。横に居たはずのルナがいつの間にか、少年の元へと行っていたからだ。
少年はルナの腕を振り払うと、立ち上がり、ルナの方へと睨みつけながら向く。イブキはこの時、思っていた。
(コレって、デジャブなのか?この状況を見た事がある。でも…俺はどうしたら…。)
その時、少年が拳を振り上げると、また火をまとわせる。ルナは身構え、レントはルナの元へと向かおうとするところへ、素早く少年の突き上げた腕を掴んだのはイブキだった。
少年はイブキの事を睨みつける。少年の腕が少し凍っていくと、イブキの手を払う。少年は凍った腕を溶かし、イブキへと言う。
「お前、もちろんコロシアムには出るんだろ⁉︎俺に喧嘩うったんだもんな、怖気付いて出ないとか言ったら、ぶん殴る。」
イブキは勢いで言う。
「出てやるよ!そのコロシアム。」
少年は笑みを浮かべると、その場から去ろうとする。少年は足をいったん足を止めた。
「俺は、ファイガだ。その頭に叩き込んどけ。」
そう言うと、ファイガは行ってしまった。
すると、イブキは安心した時、気にもしていなかった手が熱かった。
「アッチーーー‼︎」
周りの人々は徐々に広場から出て行く。そんな中、レントとルナがイブキの側に行くと、イブキは苦笑いでレントとルナの方へと向いた。レントはそんなイブキの頭を叩いた。イブキは痛がる。
「何やってんだ!勝手にあんな奴と変な約束しやがって、どうする気だ!」
そうレントが怒ると、イブキは頭を抑えながら言う。
「だって…勢いで言っちゃったんだから、しょうがないだろ⁉︎」
ルナも怒る。
「勢いではすまないわよ。彼が言ってたのは、魔導コロシアム。死人が出る可能性があるのよ。」
イブキはその言葉に恐怖を感じたが、それをはね抜けて言う。
「怖いけど…俺はあいつに、勝ちたい。」
ルナはため息をし、イブキへと言う。
「分かった。コロシアムは三日後。それまでに、イブキには、魔法をちゃんと身につけてもらうからね。」
イブキは頷く。レントは呆れていた。
その後、イブキ達は殴られ続けられていた男を病院へと連れて行った。イブキはお腹を空かせると、ルナは何処かで食事をする事を提案し、三人はレストランへと向かった。
それから一時間後、食事を終えた三人は、また広場へと向かった。広場へと着くと、ルナがイブキへと言う。
「これからイブキには、魔法の基礎を教えるからね。」
イブキは氷魔法を自由自在に扱う為の、修行を始める。