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氷結のファンタジア  作者: 夜空あおい
ダブルトーンでの奮闘
6/10

ダブルトーンでの別行動

 イブキ、レント、ルナは大きな城のある街へとたどり着いた。街へと入る三人。ルナはこの街のことを説明する。


「この街はダブルトーン。アニュラスラクリプス城という名前の城があって、コロシアムもあるんだよ。」


すると、店屋が続く道へとやって来た。ルナは嬉しそうに、二人へと言う。


「私、ずっとこんな汚い服を着ていたから、服装を変えたいの。だから服を買いたい。そうだ!どうせならイブキも服を取り替えようよ。その服装だと怪しまれるから。」


イブキは微妙に傷ついた。

 服屋へとやって来た三人は、女性物の服専門店へと入る。ルナが選んでいる間、外で待つ二人。何分か待っていると、ルナがやって来た。服装の変わり様に、イブキとレントは驚く。


「どうかな?」


ルナが照れ臭そうにそう言うと、すかさずイブキが言う。


「似合ってるよ!凄く似合ってる。」


ルナは笑顔で喜んだ。今度は男性物の服屋専門店へと入り、ルナがイブキの服装を選ぶ。イブキは女の子に服を選んでもらう事が初めてで、緊張していた。イブキはルナが選んでくれた服に着替えた。すると、ルナからブレスレットを渡された。


「コレは、プレゼントだよ。イブキが私の事を見捨てないでいてくれたから、そのお礼ね。」


イブキは照れ臭そうに、ブレスレットを腕に付けた。服屋から出ると、外で待っていたレントがイブキを見て言う。


「やっとましになったな。」


イブキはムッとした表情になった。すると、ルナが話ずらそうにしながら、言ってきた。


「あのね、私…城に用事があって…あとその前に、美容院に行って髪を切ろうと思うの。」


イブキは驚く。


「用事はいいけど…その長い髪を切っちゃうの⁉︎」


そう言うイブキに、ルナは言う。


「ずっと切ってなかったから、軽くしようと思うの。」


そこへ、レントが話に入ってくる。


「分かった。じゃあルナはこれから城に向かうんだな。俺達は宿(やど)を探しに行く。」


ルナは頷くと言う。


「分かった。じゃあここからは別行動ね。それじゃあ行ってくるね。」


ルナはイブキとレントから離れ、城へと向かった。

  レントは早速、宿を探しに行こうとするが、イブキがいきなり言い出す。


「俺はこの街を見て周りたい。だから、レントと俺も別行動しよう。」


 レントは反対だったが、イブキが言う事を聞かなそうなので、別行動をする事にした。イブキとレントはそれぞれ、別方向へと行く。



 イブキは異世界で初めての大きな街に、驚きと楽しい気持ちでいっぱいだった。周りを見渡しながら、進んで行くと、大きな広場へとやって来た。広場には子供達が無邪気に遊んでいる。


(此処は、公園的なところかな。)


イブキは子供達の元へと行く。子供達はイブキの事を見ると、イブキは子供達と目線を合わせる為に、しゃがむ。イブキは頭の中で氷の塊をイメージしながら目をつぶった。子供達は不思議そうにイブキの事を見ていると、イブキは手の平から小さな氷の塊が現れた。それを見た子供達は目を輝かせていた。イブキは目を開き、苦笑いをした。


「まだ、こんな小さな塊しか出来ないけど…。」


そうイブキが言うと、女の子が言う。


「そんな事ないよ。お兄ちゃん、凄いよ!」


イブキは照れていると、眼鏡をかけた男が、イブキの(うし)ろへとやって来ると、イブキの肩を叩いた。イブキは振り返る。


「ねぇ、君のその氷は手品かい?」


そう男が聞いてきたので、イブキは答えた。


「これは魔法なんだって。友達が教えてくれたんだ。」


すると、男の目の色が変わった。



 一方、レントは宿を探しながら街を探索していた。そんな時だった。突然と大きな音がし、レントと近くに居た街の人々も、音のした方角へと見ると、少し近くで煙が立ち上っていた。レントは興味本位で見に行ってみた。

 そこは、広場だった。白いもやで周りがあまり見通せないくらいで、よく見てみると、子供達が倒れていた。子供達の元へと大人達が側で声をかけている。周りの人々が唖然(あぜん)としている中、そわそわとしている三つ編みをした少女と、側にいる白ウサギが居た。レントは少女に声をかけた。


「ちょっと話を聞きたい。此処で何があったんだ⁉︎」


少女は慌てて言う。


「その、何が起きたのかは私にも分からないのですが、眼鏡をかけた男の人が、男の子を抱えて、この広場から出て行くところを見ました!もしや…これって事件なんでしょうか⁉︎」


 レントは男が怪しいと考え、男が抱えていった男の子の事を聞いてみた。


「その抱えられていった男の子は、どんな子だ?」


少女は答えた。


「そうですね…あんまり覚えていませんが、私やあなたぐらいの男の子で、黒い髪をしていました。そう言えば、腕にブレスレットを付けていたような…こんな事しか覚えていなくってすみません!」


レントはその証言から嫌な予感がした。レントは更に少女へと聞いた。


「男が行った方向は分かるか⁉︎」


少女は更に慌て出す。


「す、すみません!覚えていません…。」


そう少女が言うと、側に居たウサギが喋り出す。


「それなら僕の鼻で、男の匂いと言うよりか、煙の匂いが強い方角が分かるから、追えるよ。きっとあの男の匂いだと思うから。」


レントは少女とウサギに頼む。


「悪いが、俺と一緒にその男を探して欲しいんだ。もしかしたら、俺の知っている奴がさらわれたのかもしれない!」


少女は頷き、ウサギはジャンプした。


「分かった!僕が奴の匂いをたどるから、付いてきて。」


レントは少女とウサギと共に、男の行方を探す事になった。

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