奴隷からの解放
イブキとレントは、周りを警戒しながら進んで行く。イブキはレントに、気になっていた事を聞いてみた。
「あのさ、あのムチを持っている奴らって、何者?」
レントは辺りを気にしながら言う。
「あいつらは、奴隷管理人だ!奴隷が逃げ出さないように見張っている奴らだ。」
イブキは少女や周りに居た人々の事を思い出し、その人々が皆、奴隷なのだと気づいた。イブキとレントは炭鉱場所までやって来た。
そこには、無理やり働かされている人々が、管理人に見張られながら、土を掘り上げていた。イブキは管理人からムチを打ち付けられている人を見て、怒りがこみ上げていた。
すると、レントが背負っていた長い袋から、剣が出てきた。イブキは慌てる。
「ちょ、ちょっと待った!そんなぶっそうな物で、まさか…人を斬るのか⁉︎」
イブキがそう聞くと、レントは答える。
「当たり前だ。それに、これくらい持ってないと、この世の中では生きていけない。」
レントはさらに、袋から取り出したのは、ダイナマイトだった。イブキは血の気が引いた。
(もっとぶっそうな物が出てきたーーー‼︎)
レントは突然、ダイナマイトに火をつけると、それを人が居ないところへと投げた。二人の数メートル先に落ちたダイナマイトは爆発した。それに驚いた人々は炭鉱場所から逃げ出す。管理人は慌て出す。
逃げ行く人々の中、イブキはあの少女を探し始める。中々少女は現れない。そんな時、人が倒れた。イブキは急いでその人に駆け寄ると、その人はあの少女だった。イブキは少女へと手を差し伸べる。少女はイブキの手を掴むと、イブキの顔を見て言う。
「なぜ、あなたが此処にいるの⁉︎」
イブキは少女を立ち上がらせると、言う。
「話はあと。ここから逃げる事が先だから。」
イブキは少女の手を握りしめ、走り出す。少女の手を引きながら、奴隷の人々の中を走って行く。イブキはレントと合流した。
奴隷達は皆、逃げ去って言った。すると、イブキ達の元へと管理人達が向かって来る。イブキは焦っている横で、レントが剣を持ち出す。
「ま、まさかレント、本当に人を斬るのか⁉︎」
そうイブキが言うと、何も言わずにレントは管理人達へと、向かって行ってしまった。
レントは管理人達が持っているムチを次々と、切り裂いていった。管理人達はそれにビビったのか、逃げ去って行く。イブキはホッとした。
(よかった〜。いくら悪い奴らとは言え、人が殺されるところなんて、見たくなかったから、本当によかった〜。)
そう思っていた、その時。
「バァーン」
という銃声が何処からか鳴り響いた。