表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結のファンタジア  作者: 夜空あおい
異世界から気持ちを新たに始める
2/10

異世界で新ためて始まる人生

  くたびれた服を着ている人々が、イブキの事をじっと見ていた。イブキは混乱して呆然(ぼうぜん)としていた。人々はイブキから目を離し、それぞれ何処かへと行ってしまった。

  呆然としているイブキへ、トントンと肩を優しく叩く少女。イブキは一瞬ビクッと驚くと、少女はクスッと少し笑った。イブキは少女の方へと向く。少女は見た目からしてイブキと歳が同じくらいで、髪は長く薄い金色をしていた。しかし、その少女もくたびれた服装をしていた。


「どうしたの?」


少女の言葉が分かる事に、驚くイブキは聞いてみた。


「ここってどこ⁉︎」


少女は答えた。


「君はここが何処だか分からないの?もしかして、迷ってここに来たのなら、今すぐこの場所から離れた方がいいわ。」


イブキは言葉が通じる事に安心はしたが、少女の言葉に疑問を感じた。

  すると、少女はうしろを振り返るり突然、慌てだした。イブキは不思議に思い立ち上がると、少女がイブキへと小声で言う。


「その近くの岩に隠れて!」


イブキは少女の言う通りに、近くにあった大岩に隠れた。

  イブキはこっそり、少女の様子を物陰から(のぞ)いていた。すると、少女の所へとムチを持った男が二人やって来た。男の一人が少女へと聞く。


「ここでなにをしている‼︎お前の仕事場はここではないはずだが、ここで何をしていた⁉︎」


少女は無言だった。そんな少女にもう一人の男が、少女の頬へと平手で殴った。少女はその衝撃で倒れてしまった。男達は少女を無理やり立たせ、その場から連れ去って行った。その光景を見ていたイブキは、怒りが込み上げた。


「そこで何をしている‼︎」


その背後からの声に、イブキはビクッとし、ゆっくりとうしろへと振り向いた。そこには、ムチを持った男が一人いた。焦るイブキに対し、男はイブキの服装を見て、怪しむ。


「お前、何者だ?怪しい服装だな。そんな事よりも、なぜここにいる!」


そう男は言うと、男はイブキの腕を掴んだ。イブキが抵抗すると、男は持っていたムチをイブキに向けて、振り落そうとしてきた。

  その時、突然と男は倒れた。イブキは唖然(あぜん)とした。イブキの前に現れたのは、黒いニット帽を被った同じ歳ぐらいの、少年がいた。少年はイブキに向かって言う。


「お前、不思議な服装をしているな。」


イブキは思う。


(助けてくれたんだよな……。にしても、ここは外国ってわけでもなさそうだ。だって、こいつの服装、コスプレみたいだし!て事は…ここは俺の住んでいる世界じゃあ、ないのか⁉︎)


考え込むイブキに少年は、その場から立ち去ろうとする。イブキは焦って、少年の腕を掴んだ。


「ま、待ってくれ!助けてくれてありがとう。実は頼みがあるんだ‼︎」


少年はイブキの方へと振り向と、言う。


「俺はお前を助けたわけじゃない。俺は他にやるべき事がある。」


イブキは言う。


「お前、強いんだろ⁉︎俺を助けてくれた、女の子を助けて欲しいんだ‼︎」


少年は冷たく言う。


「俺にはやるべき事がある。その子を助けたいのなら、お前一人でなんとかするんだな。」


イブキはためらうが、決意した。


「分かった。確かに、俺がなんとかするべき事だ。だけど、俺一人の力じゃ、何もできない…だから、力を貸してくれないか⁉︎」


少年はため息をつくと、(あき)れた表情で言う。


「確かに、お前一人じゃ何もできなさそうだな。分かった、力を貸してやる。ただし、女の子を助け出すのは、お前だからな!」


イブキは笑顔で言う。


「ありがとう‼︎俺は城田イブキ。」


少年はイブキの名前に戸惑いながら言う。


「俺はレント。お前、面白い名前をしているな。イブキと呼べばいいのか?」


イブキは笑顔のまま、(うなず)いた。すると、レントは前を向くと、歩き出す。イブキは急いで付いて行く。


(ここがどこだか分からないけど、あの女の子を助けるんだ‼︎それが今、俺がやるべき事だ!)


イブキは気持ちを新たに、少女を救うため、レントと協力をした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ