表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

条件

乙晴と滝はとある公園に設置されているハーフバスケットコートに向かっていた。何故そんなところに向かっているのか。それは、同じ学校の三人が、そのコートでバスケをしているという情報を滝が手に入れたからだ。


いざ来てみると、コートには三人の姿が見受けられた。その三人の内の一人がパスを出し、パスを受けた者がマークに入っている一人を振り切ってゴールを決めているところだった。


「くそ、また抜かれた」

「朝日のパスが良かっただけ。それが無かったら止められてたよ」

「俺は佐久先輩の動きに合わせただけですよ」


そんな会話をしている中、乙晴と滝は三人が情報の人たちがどうか尋ねるために声をかけた。


「あの、すいませんが壱栄高校の方々であってますか?」

「はい、そうですが」


乙晴が尋ねた質問に佐久と呼ばれた人が答える


「俺たちも、壱栄高校の生徒なんですけど、 今回男バスを作ろうかと思いまして。そのメンバーに先輩方を誘いに来ました」

「.....何故、僕たちなのか聞いてもいいかい?」


考え込むようにして尋ねる佐久。恐らく、ある程度想像はついているだろう。しかし、それを尋ねるということは何か確証がほしいのかもしれない。


「色々誘ったんですが、いい返事が貰えず、...でもそんなところにここの情報を得たんです。なので、もしかしたらと」

「なるほど、つまり僕たちがここでバスケをしているから、.....もしかして入ってくれるのではないか、そう思ったわけだね?」


滝の言葉に納得の表情を浮かべながら話す佐久。しかし、そんな話を聞いて黙っていない奴が一人いた。


「おい、テメェ!何調子乗ってんだ?!俺たちを軽く見ているのか?」

「まあまあ、拓真落ち着いて」

「ですが?!」

「佐久先輩の言う通りだ。すぐ熱くなるのはお前の悪いくせだぞ?」


熱くなる拓真を止めたのは、佐久と今まで静観していた朝日だ。二人の言葉で止まった彼は、余程二人を信頼しているのだろう。


「しかし、拓真の言うことにも一理ある。そこで、条件を出そうと思う。その条件によっては入ることを考えてもいい。それでいいかい、二人とも?」

「俺は構いません」

「俺もそれで大丈夫です!」


その言葉を聞き、二人の顔を見ながら頷く佐久。一方、乙晴と滝は、条件とは何か、と少し不安な気持ちを抱いていた。


「.....条件は何ですか?」

「ははっ。そんなに身構えなくても、無理難題は言わないよ。.....それで、条件なんだけど、僕たちとバスケで勝負してほしいんだ」


そう言われて、一瞬何のことかわからなかった。それもそうだろう。条件と言われ、多少無理難題を言われるかと思ったからだ。なので、今でも何か裏があるのではないか、と考えてしまう。


「もちろん、裏なんてないよ。ただ、たまには別の人とバスケするのもいいかなと思ってね。それに君たちの実力も知りたいし」


条件と言うより、誘われた感じとなったが、これを受けないという選択肢は彼等には存在しない。


「乙晴、どうする?」

「やるしかないだろ?滝、バスケの経験は?」

「遊びくらいしかやったことがないが。.....もしかして俺もやるのか?」

「人数的にはこっちが少ない。つまり、自然と滝にも出てもらわくてはならない」

「マジか。はぁ、....まあ、手伝うと言ったからな。やらないわけにはいかないだろ」


その言葉を聞いていたのか、途中で佐久が口を挟んできた。


「決まったようだね」

「はい、その条件受けさせてもらいます」


こうして、バスケでの勝負が決定したのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ