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愚者と悪魔の物語  作者: らいった
第1章後編  愚者と悪魔
21/50

第13話  ダンジョンを作ろうその3

お気に入り件数100件突破!!読んでくれている皆さんにはホント感謝してます!!これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!!

 ダンジョンに帰ると、入り口でヒェンとメフィストに出迎えられた。



「お帰りなさいませ、マスター。お怪我はありませんか?」


「主様は怪我とかしませんよぉ。だって骨ですしねぇ」


 

 メフィストはあれからまた元の茶化すような口癖に戻っている。



「ああ、別に怪我などはしてないよ。それよりダンジョンは何か変わったことはあったか?」


「ええ、それなんですが、初めてスライムの罠に引っかからない一人の冒険者が現れましたが、まだ駆け出しだったため、待機中の戦力で排除いたしました。ですので、マスターには後ほど戦利品の処理をお願いします」


「了解。それよりとうとう引っかからない相手も出てきたか。ならDPも貯まってきたことだし、思い切ってダンジョンを改築するか」



 そう言いながら、果樹園へ食料調達へ向かうゴブリン達と別れ、俺はダンジョンへと入っていくのだった。











ーーー






 ダンジョンコアルームに戻った俺は冒険者の遺品だった弓をゴブリンアーチャーに渡し、鎧は宝箱に詰めるなどの指示をした後、ダンジョン作成に取りかかる。



「さて、格が上昇していないため、新たに作成可能になったものが無い状況なのだが、何かいい案はあるか??」


「なら、今マスターのDPは800近くあるので、400DPを使ってワープ床を作られてはいかがでしょうか??」


「ワープ床??」


「えぇ、指定人数を指定フロアに跳ばす罠なんですけど、実は、パーティーが来る度に指定人数を選ぶことが出来、また選ぶ時に跳ばす相手をある程度条件づけすることが出来るんです。そういう理由で400DPも消費するんですけどうまく使えば、効果は絶大だと思われます」


「具体的にどう条件付けが出来るんだ?」


「例えば、罠察知能力をもつ盗賊なら敏捷性が高いモノという条件にすれば引っ掛かりますし、魔法使いなら知力の高いモノという条件にすれば引っ掛かります」


「成る程、上手く使えば相手を孤立させたり出来るんだな」


「はい、今回の冒険者のような浮遊の魔法がかかった靴を履いていた相手には効果はありませんが、これは上級になった全てのダンジョンで作成可能になる魔力無効化エリア作成を作るまで対処することが出来ません。ですから、今は少しでもリスクを減らすためにやっかいな敵を分断するといいと思います」


「ん・・、そう聞くといい感じがするのだが、やはり浮遊の魔法対策が出来ないのは痛いな。そもそも、浮遊魔法のかかった靴は高位の冒険者は皆持っているものなのか?」



 俺の疑問にヒェンはわからないと首をふる。だが代わりにメフィストが答える。



「高位の冒険者は浮遊の魔法なんかよりもっと価値のあるステータス上昇効果のある装備をしてましたねぇ。基本的に高位の人達は脳筋が多いので穴に落ちても力技で脱出したりしてましたよぉ」


「じゃあ逆に高位の奴らの方が素直に罠にかかるのか。・・・そうすると、やはり怖いのは罠察知能力を持つ盗賊と、フロア全体を攻撃できる魔法使いか・・・なぁ二人とも、悪いがその職業の特徴を簡単でいいから教えてくれないか?」


「盗賊は基本的にサポートに特化しており、戦闘能力は高くないですね。ただ盗賊の職についているものだけが、罠を見つけられるので大抵のパーティーに一人はいます。次に魔法使いなんですが、タフネスとHPはかなり低いのですが、その分高い知力とMP、そして、炎、水、風、雷、土、光、闇、時空、の8種類の属性の魔法のどれかを修得するというのが脅威になります」


「魔法の属性は基本一つなのか?」


「それは職業によります。魔法使いは基本、最初の5種類のうちからランダムで1つ修得します。ですが特殊な条件を満たした場合、光、闇、時空のいずれかの魔法を修得できる魔法使いになることができます。また、高位の冒険者の中には魔法使いの職業を極め、2つ以上の属性を扱える職業に就く人もいるそうです」



 ヒェンの説明を聞いて俺は一つ疑問に思ったことを問う。



「仮に魔法使いがあのスライムの罠の部屋に入った場合、どのような魔法を使って脱出すると考えられる?」


「そうですね・・・炎魔法で水ごと蒸発させたり、水魔法の応用で水を分解したりするといった方法が考えられますかね」



 その話を聞き、俺はふと思いついた。



「ふむ・・・それならあんまり使いたくはないんだがこう言うのはどうだろう??」



 俺は水晶球に触れ、イメージを液晶に写し出す。



 すると、シュミレーション中の画面を見ていた二人は言葉を失っている。



「・・・・・・エグいですねぇ、主様。さすが私の主様です。えぇ、若干ドン引きしますけどねぇ」


「・・・シュミレート完了。問題ありません、一応は。けどこの手はあまり多用しないでください。あんまりやると、いろいろと危ないですから」


「ああ、わかっている。これはあくまでも最終手段だ。だがこれなら使えそうだな。ヒェン、悪いがこのプランを採用で頼む」


「・・・わかりました。それでは598ポイントのDPを消費してダンジョンを作成します。なお、作成には2日を要する予定です」


「わかった。じゃあよろしく頼む。それと、さすがに疲れたからもう休ませてもらっていいか?」



 そういってお休みなさいませ~と言う言葉を聞きながら、俺は部屋へと帰って行った。






ーーー





 それからダンジョンが出来るまでの間、俺は魔物達の数を増やすことに勤しんだ。ゴブリン達やウルフ達が仲間を呼ぶのスキルで同族達を召喚したのを俺が〈リーダーシップ〉の効果であるスカウトを使って仲間にしていったのだ。そして、仲間にした魔物達のリーダーになる奴らをヒェンに追加で作ってもらい、2日後、ダンジョンが出来上がるときには、結構な数になっていた。


 そしてダンジョンが出来てから、2日ばかり経った後、とうとう冒険者のパーティーがやってくる。


 その顔ぶれは、俺にとって馴染み深い、ロックブーケの町でレナを探す手伝いをしてくれると言って旅立った冒険者のおっさん達だったーー。









~~~ダンジョンNo.5121の現保有魔物~~~



・ホブゴブリンリーダー×1


・ホブゴブリン×4


・ゴブリンアーチャー×3


・ゴブリンメイジ×3


・ゴブリンリーダー×9


・ゴブリン×36


・サーベルウルフリーダー×1


・サーベルウルフ×1


・ポイズンウルフ×3


・ウルフリーダー×5


・ウルフ×20


・スライムツヴァイ(毒火)×2


・スライムツヴァイ(麻風)


・ポイズンスライム×1


・パラライズスライム×1


・スライム×4


・スケルトンリーダー(ファウスト)×1

魔物が進化したり、増えてるのは描写しなかった10日間や2日間に進化したという設定です。

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