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愚者と悪魔の物語  作者: らいった
第1章前編  誰にも負けないダンジョンを
15/50

第9話  ダンジョンを作ろうその2 修正中

 次の日、俺は自分用の部屋に作ったベッドで目を覚ます。すると何故か隣に幼女と猫が寝ており、俺が起きたのに反応して猫が声を上げる。


「おはようございますぅ主様。うふふ、昨夜はあんなに激しくしていただいて…///」


「あいにく猫に欲情するほど飢えていないんでな、何かの勘違いだろう。それより何故お前等がここで寝ている??土人形なんだから睡眠欲とかないんじゃないのか??」


「やだなぁ主様、土人形だって中身は私なんで欲はありますよぅ。まぁダンジョンコアの仮想人格のヒェンには彼女のためにアスが身体の方を細工をしてましたけどねぇ。魔王の技術力は世界一ぃぃぃぃぃって感じで」


「…なんでもいいが、それならベッド作ってやるからそっちで寝ろよ」


「「嫌です」」



いつの間にか起きていたヒェンがメフィストに同時に拒否をする。


「いや、常識的に考えてだな…」


「「(ジト目)…」」


「じゃあせめて同じ部屋で勘弁してくれ!!」


 結局俺は恥も外聞も捨てて土下座をすることでなんとか納得してもらうのだった。







    ※





「とまぁ必要な可能性を微塵も感じさせない日常パートを活かすため魔物達の部屋を作りましょうよぅ主様」


「…お前の言っていることは相変わらず良く分からないが、確かにそれは必要か。いつまでもアイツ等をダンジョンの床で雑魚寝させるのも気が引けるしな。けどとりあえず新たに何が作れるのか見てから決めたい。と言うわけでヒェン、新たな作成物一覧を頼めるか?」


了解しましたと言う言葉と共にダンジョンコアルームの液晶に文字が現れていく。




○●○●○●○●



~~~ダンジョンNo.5121の新規作成物一覧~~~



〈ダンジョン付属物、罠、etc…〉



・ダンジョンフロア拡大;50DP※フロアサイズを2倍化


・サーチャー;200DP※ダンジョン内とダンジョン外半径2キロの様子を詳細に表示



・トラバサミ;20DP



・天井針トラップ;80DP



・植物成長剤;1DP※植物一つにつき一個使用



・ワープ床;400DP※フロアにいるモノ達を指定人数ごとに指定場所へ転送




〈モンスター〉



・ウルフ;5DP ※敏捷性に秀でた狼型の魔物。能力自体は高くない



・ウルフリーダー;10DP ※ウルフ達を統率する能力を持つ魔物。ウルフより多少能力が高い



・ピグ;2DP ※スライム並みの能力しか持たない小型の豚型の魔物。肉の味は通常の魔物達より美味



・グール;8DP ※ゴブリンと同じサイズの人型の魔物。アンデッドでありステータスはゴブリンよりは高いものの、室内や夜間以外では弱体化する。




○●○●○●○●




「まだそこまで良いのはないな……」


「ええ、ただサーチャーは作っておいた方がいいとおもいます。それ以外はメフィストフェレス様の言うように魔物の方に意識を傾けた方がよろしいかと」


 ヒェンの言葉に納得し、とりあえずサーチャーを作る。すると、ダンジョンコアルームにある液晶に、今まで無かったダンジョン周りの立体図と、半径2キロの周りにいる生き物達の種族と名前といった情報が表示される。確かにこれは便利かもしれない。


「うん、確かに便利だな」


「ランクが上がればもっと遠距離かつ詳細な情報が入ります。これを使ってダンジョンの魔物が勝てる相手を見繕ってみてはいかがでしょうか?」


「それはいいかもしれないな。なら次はやはり魔物達の方をどうにかするか。…そういえばメフィストに質問なんだが、俺達は相手を殺さなければマテリアの経験値は手に入らないのか?」


「いえ、確かに相手を殺すと神から経験値が与えられると前に言いましたが、一応戦って勝負が着かなかった場合でも経験値は入ります。またレベルや種族に差がある場合は弱い方にけっこう経験値が入るらしいですよぅ? 私は最初から強かったから知りませんけど」


メフィストからの返答を聞いて俺は考えを巡らす。そしてある程度まとまったところでダンジョンコアルームの中央にある水晶球に手を触れ、仮想シミュレートを行った。


「2階層に魔物用宿泊部屋を2つと演習用のフロア拡大したフロアを作り、ゴブリンリーダーとウルフリーダーを中心とした部隊に演習と狩りをローテーションさせることにより強化をはかるですか……シミュレート完了。特に問題ありません。現状ではベストな判断かと」


「ならそのプランで頼む。あぁ、だがそうするとダンジョン内にいる魔物達の食料費がバカにならなくなるな。まわりの土地で自給自足できないのか??」


 食糧事情は常に確認しなければいざという時に問題となる。故に俺はサーチャーによって液晶に写し出されている情報に目を通すとダンジョンの裏の崖との間に小さな果樹園の跡があるのを見つけた。


「これは…?」


「それは前マスターがダンジョン外に唯一作成した果樹園の跡地です。魔物ばかり生み出して外に繰り出していたので、さすがに食料に気をつかって作られました」


 ヒェンの説明を聞きながら、その場所の詳細なデータを調べる。長い間放置された影響か土壌に特に異常は無く、少し手を入れれば再び使えそうである。


「…多少荒れてはいるもののまだ使えそうだな。ヒェン、前マスターは何を育ててたんだ??」


「ダンジョンに種を生み出す力がなかったのでそこらに生えている木の実の種を育てていましたよ」


「そうか、なら俺達もそうしよう。確か一覧に植物成長剤があったな。あれも使ったら効果が出るのか??」


「植物成長剤は成長速度を10倍にするので使った方がよろしいですね。あと、折角ですからゴブリン達のローテーションに果樹園の拡大も加えると良いと思います」


「わかった。ではゴブリンリーダー1匹とゴブリン4匹のセットを2セットとウルフリーダー1匹とウルフ4匹のセットを1セットと植物成長剤を頼む」


「かしこまりました。……それでは、魔物の生成に植物成長剤10個とダンジョンフロア作成を含め、計530ポイントのDPを消費し、ダンジョンを作成します。なお本行程は3日で完成の予定です」


 全ての計算を終えたヒェンの言葉に頷いた後、俺は次にどうするか考える。


「……3日か。なら俺はロックブーケにでも行ってこの森での討伐依頼を受けてくるかな。ゴブリン達の演習ついでに狩れば都合がいいしな」


「じゃあ、その間はヒェンとダンジョンを守ってますので行ってらっしゃいませ、主様」


気持ち悪いくらい素直なメフィストフェレスに驚きながらも、俺は擬態で顔と身体を作り上げ、初めの冒険者が持っていた鎧を身に纏い、ダンジョンの外へと向かっていった。

自分で設定したDPの量の少なさに苦しめられるとは思いませんでした。正直ショボいダンジョンでごめんなさい。


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